◆大相撲 ▽春場所8日目(19日・エディオンアリーナ大阪)
元大関で西前頭筆頭の正代(時津風)が、小結・若元春(荒汐)に快勝して2敗をキープした。左をねじ込んで一気に寄り倒した。「ちょっと(得意の)右が、入らなかったですけど、勢いのまま攻められたのが良かったのかなと思います」と、うなずいた。
昨年秋、九州場所で連続して負け越して大関から陥落。1場所での復帰をかけた今年初場所は右足親指負傷の影響もあり6勝9敗に終わった。2020年初場所以来となる平幕に番付を下げた土俵で好調を維持だ。「先場所は右足の指辺りに不安があったので、どうしても右足で蹴る相撲だったので思ったように当たれていないというのがありましたし、恐怖感もあった。今のところはそれがないので、気持ちがいい方向に向いているんじゃ無いかなと思います」と手応えをつかんでいる。
昭和以降初めて横綱、大関が不在となる異常事態の中で、元大関の実力者が存在感を見せている。ただ「気負うとちょっと、どうしても硬くなるタイプなので、正直、気楽に自分の持ち味を出すことだけに集中できたらなと思います」と無心で目の前の一番を取っていく構えだ。
八角理事長(元横綱・北勝海)は「攻めようという気持ちがありますよ。いいときの正代ですね。今場所は勝っても負けてもいい相撲を取ってますよ」と評価していた。