【番記者の視点】FC東京、敵将も「正直ビックリ」の初3バック …中盤の複数離脱にアルベル監督が“奇策”

スポーツ報知

 ◆明治安田生命J1リーグ 第5節 名古屋0―0FC東京(18日・豊田ス)  

 【FC東京担当・後藤亮太】 FC東京が今季初めて3バックを採用した試合で、名古屋と0―0で引き分けた。

 スタメン表を見ただけでは、どういう布陣で臨むのか分からなかった。試合前のアップでも、本職センターバックのDF木本がボランチ、インサイドハーフで主に起用されるMF塚川を左ウイングに配置しているように見えたが、ふたを開けたら、森重、エンリケトレビザン、木本で3バックを形成。中盤も4枚にして、前線もオリベイラを頂点に、仲川、塚川をシャドー気味に起用する「3―4―2―1」を採用していた。通常は「4―3―3」を採用しているだけに、敵将で21年までFC東京を指揮をしていた長谷川監督も「東京が3バックでやってくるというのは、メンバー表を見ても分からなかったので、正直ちょっとビックリした」と振り返ったように、驚きのシステム変更だった。

 厳しい台所事情がある。FC東京は中盤の3枚をアンカー1枚、インサイドハーフ2枚の逆三角形で構成する。しかし、インサイドハーフに適性のある、MF松木はU―20日本代表で不在。さらに負傷離脱しているMF安部、MF渡辺に加え、ルーキーのMF寺山もコンディション不良で欠場。指揮官も「不在の選手が多いゆえに、システムを変更することが必要な状況でした。守備をより重視することを優先しました」と説明したように、多数の離脱メンバーがいることも3バックに踏み切った理由の一つだった。

 本格的に着手したのは試合に向けた1週間のトレーニングのみ。名古屋のユンカー、マテウス、永井の強力3トップに対して3バックでマンツーマン気味で対応したことや、中盤や前線もあえて相手と同じフォーメーションにしてミラーゲームに挑んだことで、前半はシュート0本に終わるなど、思うようにいかない場面もあったが、同様に相手にチャンスを作らせることは少なく、一定の成果も見えた。

 試合後、アルベル監督も「概して、多くのサッカーファンにとっては期待していない展開ですけど、我々にとっては、とても重要な、見応えのある、戦術的なゲームになりました。もちろん勝ち点3をもぎ取れなかったので心から満足することは出来ません。けれども、今日選手たちが表現してくれた90分間に関してはとても満足しています」と振り返ったように、敵地でつかんだ勝ち点1をポジティブに捉えていた。

 今は踏ん張りどころとも言えるだろう。ただ、長いシーズンを戦う上で、新たなオプションを手にしたことは意味があるはずだ。

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