◆第95回センバツ高校野球大会第2日 1回戦・東邦6―3鳥取城北(19日・甲子園)
鳥取城北の捕手、河西華槻(はづき)主将が、昨年11月に脳梗塞で倒れた父・雄一郎さんと、2020年春に出場を決めていたセンバツ大会がコロナ禍で中止となった兄・威飛(いぶき)さん(大商大3年)へ、甲子園でのはつらつプレーで思いを届けた。
守っては中学時代からバッテリーを組むエース右腕の新庄空(3年)ら3投手をリードし、攻撃では3四球を選び3出塁。9回2死、遊ゴロで最後の打者となった。東邦(愛知)に敗れ「悔いしかないが、家族に楽しくプレーする姿は見せられた」と涙はなかった。
「お父さんは倒れた時、面会禁止だったが、その後リハビリし、もうすぐ仕事復帰できそう。お兄ちゃんからは『結果どうこうより楽しめ』と言われ、最後まで笑顔でできた」。家族への思いを胸に秘めながら、懸命にチームをけん引した主将は、夏の甲子園出場へ向けて、再び動き出す。