◆明治安田生命J2リーグ 第5節 磐田2―2清水(18日・エコパ)
史上初のJ2静岡ダービーは2―2のドローで痛み分けとなった。清水エスパルスは昨季J1得点王のFWチアゴサンタナ(30)の今季1号を含む2発も実らず開幕から5戦連続ドロー。昨季から続くリーグの勝ちなしは12試合に伸びた。
サンタナが2得点を決めたが初勝利が遠い。清水は開幕からリーグ戦5試合連続ドロー、昨季から12戦勝ちなし(7分け5敗)とともにクラブワーストを更新。ゼ・リカルド監督(52)は「非常に悔しい。またもチャンスをつくりながら勝ちきれなかった」と唇をかみしめた。磐田のシュート数6本をはるかに上回る19本を放ったが、決定力不足に嘆くもどかしい展開となった。
大ブーイングが試合終了後に巻き起こった。先の見えない怒りを抱くサポーターがいる一方で、希望を見いだす人たちもいた。サンタナが手を振りながら引き揚げる中、観客席から期待を込めた拍手が送られた。収穫はあった、昨季J1得点王の復調の兆しだ。
0―1の前半42分、FWディサロが中盤でもらったボールを鋭い縦パス。西沢がつなぎサンタナがゴール前で左に動いて左足で今季初ゴールを決めた。1―2の後半42分にも左足で同点弾を奪った。目覚めた眠れる獅子は「自信につながった」と安ど。「(引き分けが続き)前線に焦りがある。この得点は(仲間にゴールを決められると)自信を与えるものになった。チームとして取り組んでいることに間違いはない」と言い切った。
指揮官は「誰であってもゴールを決めてくれるのがうれしい。ただサンタナの浮上のきっかけになればいい」と喜ぶ一方で、勝ち点5に対し「状況はいい方ではない。焦りが生まれると思うが、作れているチャンスを冷静に結果につなげたい」と前を向いた。26日の浦和とのルヴァン杯を挟み、29日にホームで群馬と対戦。昇格へ辛抱にも限界はある。次こそリーグ初勝利を手にしたい。(伊藤 明日香)