◆東京女子プロレス「GRAND PRINCESS ’23」大会(18日、東京・有明コロシアム、観衆1513人)
東京女子プロレスが女子プロレスでは約20年ぶりとなる有明コロシアムに初進出。SKE48荒井優希が女子プロレス界のレジェンドの「怪物」アジャコングとの初シングル対決に臨んだが、奮闘及ばず敗れた。
ドロップキック連発、初公開のミサイルキックと果敢に攻め込んだ荒井だが、サソリ固め、フルネルソン・バスターまではもっていけず。頭に蹴りを入れ、トップロープに上ると、そこからFinally(カカト落とし)を一閃。その後、Finallyを連発。場外戦で鉄柱攻撃を食らったが、エプロンから強烈なFinallyを叩き込んだ。
カウント19ギリギリでリングに戻ったアジャは怒りの一斗缶攻撃を連発。パイルドライバーからバックドロップを見舞ったが、荒井はカウント2でクリア。アジャのダイビング・エルボーを自爆させ、再びFinally。これをアジャは裏拳で返していくが、かわした荒井はビッグブーツを繰り出す。
それでも、アジャはラリアットから垂直落下式ブレーンバスターを決めて3カウント奪取。試合後、場外でうずくまっていた荒井に言葉を掛けて退場した。
バックステージで荒井は「全部の試合でもちろん勝ちたいと思っていて。そういう気持ちでリングに立ち続けているんですけど、今日はめちゃくちゃ悔しくて。すごい差があるのは分かってた。どんな形でも勝ちたかったんですけど、今の自分には届かないなって」とポツリ。
「でも、アジャさんが『またやろう』って言ってくれたので、次は本当に勝ちたい。いつになるか分からないけど、絶対、もっと成長して、アジャさん、見ている人を驚かせたい」と唇を噛んだ。
アジャは「ヘタな小細工を遣わず真っ向勝負で来たんだなと。自分の持てるスペシャルなもの、Finallyをどれだけ叩き込むかと。対等に自分の持てるものでくるのが今回の彼女の選択肢だった」と振り返ると、「まさか、こんなに追い込まれるとは思わなかったんで、これで終わるのは嫌なんで、『またやろうな』って最後に声を掛けた。今後の彼女がより恐ろしくなりました」と続けた。
その上で「勝つには勝ちましたけど、納得はいかないので、叩き潰すまでやりたい」と、その健闘ぶりを認めていた。
なお、第2試合では中3の風城ハル、中2の大久保琉那がデビュー戦に臨んだ。新人コンビは鳥喰かや、凍雅と組み、8人タッグで桐生真弥、上原わかな、HIMAWARI、鈴木志乃組と対戦。大久保はHIMAWARIにエルボー連打を叩き込み、風城はHIMAWARIとショルダータックル合戦から丸め込んで、低空のボディアタックを敢行するなど奮戦。最後は桐生がスパインバスターで凍雅を仕留め、新人組はデビュー戦を白星で飾ることはできなかった。
風城は「私のプロレスを通して、見てくれる人に元気とか明日頑張ろうと思ってもらえるような選手になりたい」、大久保は「かっこよくてかわいくて、あこがれてもらえるような選手になりたい」と話した。
◆全成績
▽15分1本勝負
〇鈴芽(8分48秒 リング・ア・ベル→片エビ固め)遠藤有栖●
▽風城ハル&大久保琉那デビュー戦・8人タッグマッチ20分1本勝負
〇桐生真弥、上原わかな、HIMAWARI、鈴木志乃(11分23秒 スパインバスター→片エビ固め)鳥喰かや、風城ハル、大久保琉那、凍雅●
▽6人タッグマッチ20分1本勝負
〇乃蒼ヒカリ、角田奈穂、ラム会長(10分23秒 5G→片エビ固め)愛野ユキ、らく、原宿ぽむ●
▽15分1本勝負
〇水波綾(11分46秒 ダイビング・ギロチンドロップ→片エビ固め)宮本もか●
▽タッグマッチ20分1本勝負
〇中島翔子、ハイパーミサヲ(10分25秒 ノーザンライト・スープレックス・ホールド)アンドレザ・ジャイアントパンダ、猫はるな●
▽タッグマッチ20分1本勝負
〇メイ・サン=ミッシェル、沙希様(13分42秒 ラ・レボルシオン)ビリー・スタークス、上福ゆき●
▽スペシャルシングルマッチ20分1本勝負
〇アジャコング(13分0秒 垂直落下式ブレーンバスター→片エビ固め)荒井優希●
▽インターナショナル・プリンセス選手権試合30分1本勝負
〇辰巳リカ(18分31秒 ホワイトドラゴンスリーパー)渡辺未詩●
※辰巳が第10代王者に、渡辺は4度目の防衛に失敗
▽プリンセスタッグ選手権試合30分1本勝負
〇伊藤麻希、山下実優(13分42秒 フライング・ビッグヘッド→片エビ固め)マックス・ジ・インペイラー、ハイディ・ハウイツァ●
※121000000(ワン・トゥ・ミリオン)が第12代王者組に、インペイラー組は4度目の防衛に失敗
▽プリンセス・オブ・プリンセス選手権試合 30分1本勝負
〇瑞希(21分2秒 キューティースペシャル)坂崎ユカ●
※瑞希が第12代王者に、坂崎が3度目の防衛に失敗