「HOUND DOG」(ハウンドドッグ)の大友康平(67)が18、19日に大阪・森ノ宮ピロティホールでコンサートを開催する。コロナ禍でツアーも3回延期を経験したこともあるが「いつもある日常ってものに、ありがたみを感じますね」としみじみ。デビュー40周年を超えてもパワフルな歌声を届け続ける原動力や、映像作品の演技についても考えを語り尽くした。(古田 尚)
■桑田佳祐らとのセッション「80年代だったらありえない」 1980年にデビューし、40周年を超えてもなお、音楽の第一線で活躍。力強い歌声に魅了されるファンも多い。大友は歌い続ける原動力について「単純に好きだってことです」とキッパリ言い切った。
昨年末には紅白歌合戦の特別企画として、同年代のSPバンド「桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎」の5人が歌う、チャリティーソング「時代遅れのRock’n’Roll Band」にドラム演奏で参加した。大友は歌の趣旨に賛同し、同曲のミュージックビデオにもドラマーとして出演。ちょうどウクライナの戦争が始まり、経済危機など世の中が混とんとしている現代に「悲壮感があふれている中で桑田君の中では『歌で何か恩返しができないかな』っていうことのきっかけだと思うんですね」と思いを代弁した。
ただ、80年代では絶対にありえなかったセッションだったとも。「みんながしのぎを削っていた80年代後半だったら、セッションすることはありえない。全員がもう『負けてたまるか。俺の方が絶対すごいんだ』って思ってやっていましたから。今はもう本当に同じ音楽を愛する仲間として『一緒に盛り上げていこう。音楽に恩返ししようよ』っていう気持ち」と笑った。
■俳優、バラエティー「楽しそうに映れば」 役者としても多数のドラマに出演している。ロックのイメージからコワモテの刑事役が多いが「たまに気弱なおっさんの役とかくると、うれしいですよね」。音楽だけで活動を続ける苦悩も分かった上で「きっとみんな負けず嫌いだと思うんです。本当に音楽一本でそれを貫き通すってことは、もう大変なことだと思うんですね。僕の場合はバラエティーや、俳優をさせていただいている。同世代の人間に『大友ってなんか楽しそうに生きてるな』って映っていれば本望ですね」と話した。
大友にとってロックとは“永遠の宿題”そして“最高の悪友”だという。「青臭いからロックなんですよ。14、15歳で好奇心を感じた音楽に『完成』というより『成熟』はないです」と断言。そして今を生きる若者には「本当にこの瞬間っていうのを、常に後悔のないように生きておかないと損」とアドバイスする。
■若者にエール「今」頑張らないと 自身も大学受験時に、予備校で1年勉強してから大学進学することを父親に伝えたところ「『ダメだ。今すぐ始めないやつは、できるわけねえだろ』って言われました。間違いないですね。今この瞬間に頑張れない人は、あしたも来年も頑張れない。時間は永遠ではないから、今日できることは無理してでもやった方がいい。若いうちの失敗は財産だから」と力強く後押しした。
あす、いよいよ大阪公演を迎えるコンサート。「とにかく、最高の時間を。最高にホットな気持ちになって、またあしたから頑張ろうっていうことですよね。皆さんのビタミン剤になれば。ハウンドドッグはビタミンです」と元気の出るライブを誓った。
■G党ですが「ピッチャーがなぁ…」 〇…大のG党の大友は、野球シーズンを楽しみにしている。「まず高校野球。センバツですよ。負けたら終わり。武士道を感じる」とワクワク。プロ野球の優勝予想はパ・リーグは「ソフトバンクの補強はすごい。オリックスは大本命。投手がいいからね」と2チームを挙げた。セ・リーグでは本命の巨人と言いたいところだが「ピッチャーがなぁ…。言いたくないけど、阪神の投手は防御率がいいからね。『ファイト、ジャイアンツ』です」と本音がこぼれた。
◆大友 康平(おおとも・こうへい)1956年1月1日、宮城・塩釜市生まれ。67歳。76年、東北学院大在学中に当時6人組のハウンドドッグを結成。80年「嵐の金曜日」でデビュー。代表曲に「ff」「BRIDGE」など。熱狂的な巨人ファン。チャリティー活動に積極的で、99年には松井秀喜氏や松坂大輔氏らがコーラスに参加したチャリティーソング「DO IT」を発表。