【元白鵬・宮城野親方の目】翠富士は対応力が光り全勝対決制す 貴景勝は焦らず完全に炎症が消えてから復活して

スポーツ報知
高安(右)を突き落としで下す翠富士(カメラ・谷口 健二)

◆大相撲 ▽春場所3日目(14日、大阪・エディオンアリーナ大阪)

 171センチ、117キロの小兵・翠富士が、自身より60キロ重い高安との全勝対決を制し、単独先頭に立った。立ち合いで元大関のかち上げにも引かず。下からあてがってしのぐと、右から突き落とした。

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 全勝対決は、翠富士の対応力が光りました。高安は5日目の宇良戦のように細かい突っ張りでいくイメージだったのでしょうが、通用しませんでした。足がそろったところを、翠富士がいい判断で突き落としました。調子の良さがそうさせたのでしょう。高安は引っ張り込んで上手を取り、じっくり攻めれば良かったかもしれませんね。

 貴景勝は、我々が思う以上に膝の状態が悪かったのでしょう。私も現役時代は膝のけがに苦しみましたが、悪いときに無理はいけません。焦りはあるでしょうが、完全に炎症が消えてから復活してもらいたいです。準ご当地の中で綱取りに挑んだ経験は、今後に必ず生きてくると思います。しっかり治療に励み、土俵に戻ってきてほしいです。

 大関も不在になりました。三役は星が伸びていない力士もいますが、最近は優勝ラインが3敗まで下がることも多いです。役力士はここで星を落としてはいけません。自らの手で引きずり降ろし、番付の力を見せつけてもらいたいです。初優勝を狙う力士もチャンスです。みんなが「自分たちが託された」という気持ちで頑張り、大阪の土俵を盛り上げてほしいと思います。(宮城野親方=元横綱・白鵬、スポーツ報知評論家)

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