俳優の寛一郎が、東京・池袋の東京芸術劇場シアターイーストで、初舞台で初主演する「カスパー」(演出=ウィル・タケット)が19日に初日を迎える。
「カスパー」は、ノーベル文学賞作家ペーター・ハントケが手がけた戯曲で、19世紀に実在したドイツ人孤児のカスパー・ハウザーを題材にした作品。カスパーは16歳ごろに保護されるまで地下の牢獄に閉じ込められていたとされる身元不明の少年。発見後に施された教育によって過去を少しずつ話すようになったものの、何者かに暗殺され、その出自は解明されていない。
難役とも言える主演に寛一郎は「やっと初日を迎えられる。うれしいです」と笑顔。「今回の舞台が最初で最後だと思います。この作品に惚れ込んでいたので、最初で最後という意気込みということでやりたい。人気が出て再演やるとなっても、絶対に再演は嫌です。やりたくないです(笑い)」と笑わせた。
舞台の洗礼も受けたようで「映像作品とは当たり前ですが、作り方も違う。稽古をやって、2週間後に本番があるということが映像作品にはない。持続性、持久性というギャップを感じた。(演出家には)愛のある教べんを執ってもらい、『くそ! ムカつくなぁ』と思ったりしながら頑張りました」と苦笑いしていた。
父・佐藤浩市も今舞台を見に来るようで、「父から『舞台やるんだ』という驚きはあった。『やるよ!』って返しました。父は『そうなんだ』みたいな感じ。見に来るのかな。来てくれると思います。どっちでも良いですけど」と照れ笑いしていた。
演出のウィル・タケット氏は「初舞台が私で申し訳ない。素晴らしい演技をしてくれた。早く映像に戻りたいと思ったかもですが。本当にすてきな俳優。再演があればやってほしいです」と熱視線を送っていた。