渡辺倫果、初の世界フィギュアで「納得の演技を」…トリプルアクセル武器の20歳、飛躍シーズンの集大成へ

スポーツ報知
世界選手権初出場の渡辺倫果

 22日にさいたまスーパーアリーナで開幕するフィギュアスケートの世界選手権で、注目の女子選手を紹介。初回は、初出場の渡辺倫果(20)=TOKIOインカラミ・法大=。今季はGPデビュー戦で優勝し、勢いのままGPファイナルにも出場。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を最大武器に飛躍を遂げた20歳がシーズンの集大成に挑む。女子のショートプログラム(SP)は22日、フリーは24日に行われる。(取材・構成=小林 玲花)

 実は渡辺の世界選手権デビューは今大会ではない。小学5年生だった2014年大会にフラワーガールとして“デビュー”していた。

 「当時は知らずに参加していたのですが、後に母から『世界選手権だったよ』って言われて知りました。浅田真央さん、鈴木明子さん、村上佳菜子さんを目の前で見て『いつかこの舞台に立てる選手になりたい』って、分からないながらに思っていました」

 ジュニアでは結果が出ず、自ら「暗黒時代」と命名。だが、苦しい時間を乗り越えたからこそ強くなれた。

 「ジュニア時代は、16年の膝の手術後に成長期も重なり、普通に跳べていたジャンプも思うように跳べなくなり怖くなっていました。毎日『スケートを辞めたい』と思いながらも辞める勇気もなかったんです。でも振り返れば、あの時の経験があるからこそ、今の自分があると思います」

 暗闇から抜け出す光となったのがトリプルアクセル。大技を初めて公式戦で成功させた舞台こそが、さいたまスーパーアリーナだった。

 「中学生の頃からプログラムに入れていて、21年12月の全日本で成功するまで約5年ほどかかりました。思い入れが強い会場で開催される世界選手権に出場できることは本当にうれしいです」

 自国での大舞台には憧れの高橋大輔(アイスダンス)も出場する。直接指導を受けたSPから好発進し、今季の最高傑作を見せる。

 「幼い頃から高橋選手をずっと見てきました。ステップは全く踏めていないんですけど、足を速く動かして『大輔ステップ!』ってマネしていました(笑い)。かつて高橋選手も演じていたSPを、オフに直接指導してもらいました。今季はまだSP、フリーでノーミスをそろえることができていません。今季の最後、納得の演技をすることが最大目標です」

 ◆渡辺 倫果(わたなべ・りんか)2002年7月19日、千葉県生まれ。20歳。3歳で競技を始める。青森山田高から法大に進学。21年の全日本選手権で、トリプルアクセル(3回転半)を試合で初成功。GPシリーズ初参戦の22年10月・スケートカナダで日本人2人目のGPデビュー戦V。同年12月のGPファイナル4位。153センチ。

スポーツ

個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請 報知新聞150周年
×