◆第37回フラワーC・G3(3月18日、中山競馬場・芝1800メートル、不良)
第37回フラワーC・G3(中山)は2番人気のエミュー(Mデムーロ)が大外一気の差し切り。桜花賞(4月9日、阪神)に名乗りを上げた。
414キロの小柄な牝馬が弾丸のように大雨を切り裂いた。エミューは道中で15番手を追走。Mデムーロが「馬の気持ちを大事にしようといったけど、思ったより後ろになってしまった」と振り返るように、不良馬場では不利な位置取りだった。
それでも、徐々にポジションを上げ4角で大外へ。鞍上のゲキに応え、グングンと末脚を伸ばすと、ライバルたちをごぼう抜きにした。上がり3ハロン36秒3は、この馬場で抜けて速い数字。これには数々の名馬の背中を知る名手も「全然違う脚を使ってくれた。ちっちゃい馬だけど意外に心は大きいね」と声を弾ませた。
この勝利で、桜花賞への挑戦も決定した。外回りで直線の長い桜の舞台なら、タイトル獲得のチャンスは十分にあるはず。小さなプリマドンナへの道のりは始まったばかりだ。(角田 晨)
◆エミュー 父ハービンジャー、母スーリール(父スペシャルウィーク)。美浦・和田正一郎厩舎所属の牝3歳。北海道新冠町・ノースヒルズの生産。通算6戦3勝。総獲得賞金は5530万4000円。重賞初勝利。馬主は(株)ノースヒルズ。