JRAの厩務員、調教助手らが加盟する4労組のうち関東労、関西労、美駒労の3労組は18日、翌19日のストライキを解除すると日本調教師会に通告した。報告を受けたJRAの佐野健吉競走担当理事は「本日12時15分に関東労からスト通告を解除するという連絡がありました」と説明。19日は通常通りの競馬開催が行われる。
ストライキはいったん解除されるが、3労組は今後、これまでに求めていた新賃金体系の廃止に関する要求を含めて、ベースアップなどの待遇改善を要求していく方針。例年は4月中旬頃に春闘が行われるが現時点で予定は立っておらず、来週以降の開催で再びストライキを行うかは不明だ。
関東労の小倉祥吉書記長は「今後は今回の新賃金体系を含めて引き続き交渉していく。今回のストライキは競馬の世界だけでなく、労働問題として世間の注目を集めていたので頓挫して残念」と説明。日本調教師会の手塚貴久会長は「誠意を持って交渉し、精いっぱいの努力をしましたが、残念ながらストライキに至る事態となり、ご心配をおかけしましたが、無事に開催を行うことができました」とコメントした。
18日は3労組がストを決行する中で競馬を開催。中山ではストの影響で2頭が出走を取り消し、JRAには開催されるかの確認など666件の問い合わせがあったが、大きな混乱はなかった。また、装鞍所などにはJRA職員が手伝うために待機。調教師自身がパドックで手綱を引き、中京では中竹、渡辺調教師が他厩舎の関東馬を引く場面もあった。