◆オープン戦 中日4―4楽天(17日・バンテリンドーム)
楽天・伊藤裕季也内野手が開幕スタメンに名乗りを上げた。「6番・三塁」で先発し、6回の満塁機で適時打を放ち4打数1安打2打点をマーク。勝負強さを発揮した。
0―4の6回。1点を返し、なおも1死満塁の好機で竜の開幕投手・小笠原と対峙(たいじ)した。「ヒットというよりは最低でも1点を、と思って外野フライというのと、ゲッツーだけは絶対にないようにと考えていた。ヒットというよりは最低限という考えで打席に入りました」。無欲で臨み、直球を左前に運ぶ2点適時打。最高の結果となった。
5日の日本ハム戦(札幌D)で1号となる満塁弾を放ち、11日のロッテ戦(静岡)でも2号グランドスラム。オープン戦ではあるがこれで満塁機は3打数3安打の打率10割、2本塁打、10打点と驚異的な数字を残す。
石井監督の評価もうなぎ登りだ。「(満塁での勝負強さは)人の頭に刷り込まれるものだと思います。『やってくれるんじゃないか』というオーラをまとってバッターボックスに入れることってすごい大事なので。そこで打ち損じたとしても、何かやってくれるんじゃないかという、自分もチームメートも思うことって、あの場面で押し切ることができる要因の1つなので、そこは頼もしく仕事してくれているかなと思います」と目を細めた。
30日の日本ハムとの開幕戦の相手マウンドはサウスポーの加藤が上がるだけに「開幕・三塁」の可能性も高まった。「僕自身チャンスだと捉えてやっていますし、開幕カードが左投手というのを考えて、監督がどういう意図で使ってくれているかはわからないですけど、そこはチャンスと捉えて開幕で使ってもらえるように」と言い切った楽天の“シン・満塁男”。「まだ全然気が抜けないというか、他の選手も打っていますし、まだまだ出し続けていかないといけない」と油断なく突き進む。