嵐の松本潤が江戸幕府初代将軍を演じるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜・後8時)の第11回「信玄との密約」(19日放送)で、家康が戦国最強とされる武田信玄(阿部寛)と接触する。
海道一の弓取り・今川義元(野村萬斎)の死後、後継者の氏真(溝端淳平)はいまいち力を発揮できない。今川家、武田家、北条家で三国同盟を結んでいたのも今は昔。家康と信玄は氏真の領土・駿河(現静岡県中部)、遠江(同西部)を山分けしようとたくらむ。動かざること山の如(ごと)し―の信玄が、腰を上げる。
家康の懸念は遠江の主。今川家臣・飯尾連龍(渡部豪太)の亡き後、妻の田鶴(関水渚)が守っている。しかも田鶴は家康の正室・瀬名(有村架純)の親友。予告動画では美しく凛々しい鎧(よろい)姿も。もはや戦いは避けられそうにない。
前週の第10回「側室をどうする!」(12日放送)では、側室・お葉(北香那)が家康のもとにやってきた。男性経験のないお葉に対して母・於大(松嶋菜々子)や瀬名がアドバイス。「殿はお耳がお弱い。こうしてお耳を触って差し上げると…」や「『よしよし』とおなかをなでてやれば、もう思いのままじゃ」など、きめ細かく教えた。しかしいざ寝室で、お葉は格闘技のように家康の耳をつかみにかかり、家康も真顔に。敷布を引っ張って家康を転倒させると後ろから抱え込み、腹を「よ~しよしよしよし!」「よ~しよしよしよし!」。動物をかわいがるような勢いでなでまわした。
当然のように「誰か~」と助けを求める家康。SNSでも「吹き出さずに見ることは無理~」「涙出るほど笑った…!大河で爆笑するとは」「ムツゴロウさん」と爆笑のツイートが相次いだ。
結局、お葉は女児を生んだ後、実は男性が好きになれないことをカミングアウトし、家康の下から離れる。史実でも、お葉(西郡局)の存在は確認できるものの、番組関係者によると女性好きというのは「(脚本の)古沢良太さんのオリジナルだと思います」とのこと。時代劇は女性に対する史料が少ない。裏を返せば脚本家のふくらませ方が腕の見せどころ。前作「鎌倉殿の13人」でも、実在したか定かではない八重姫(新垣結衣)が激しい喜怒哀楽で盛り上げた。
前週の平均世帯視聴率は、同じ時間帯でWBCが放送されていたため7・2%で初の一桁に。国民的スポーツイベントが生中継されている時に、リアルタイムでこれだけ視聴される大河もなかなかのもの。武田信玄が視界に入り出し、ついに戦国オールスターが絡み合う。V字回復からの加速に期待したい。
(NHK担当・浦本将樹)
※視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区
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