WBC準々決勝のイタリア戦に先発した大谷翔平投手(28)が、高校時代に野球部員と通っていた、岩手・花巻市内のラーメン店「バガボンド」の上田貴之代表取締役(44)がスポーツ報知の取材に応じ、「2回に164キロ出したときが一番興奮した。岩手県民はみんな見守る思いで見てたはず。生涯野球人でいてほしいな」とエールを送った。
通常の営業時間は午後9時までだが、この日は午後3時には閉店。家族と共にテレビ観戦した。4回3分の2を2失点で切り抜けた大谷を「本当に次元が違うという言葉しか出てこない。メジャーのすごさを見せつけてくれて感動しました」と祝福した。
バガボンド1号店は大谷が花巻東高に入学した翌年の2011年、学校から徒歩10分のところにオープンした。大谷は部活休みの学校帰りに、よく来店していたという。
「僕は全然野球に詳しくなかったから、大谷君が注目選手ってことを全然知らなくて(笑い)。ただ、野球部仲間が『こいつ、絶対プロになるんでサインもらっておいたほうがいいですよ』といつも言ってました。今となれば、もらっておけばよかったよ」
店の名物は、たっぷりのホルモンともやしにニンニクがガツンと利いたボリューム満点の「鉄砲ラーメン」。ただ、野球部の寮生は1日計10杯の白ご飯を食べるのがノルマだったため、夕食前にガッツリ食べるわけにはいかず。おやつ代わり?に大谷らが決まって注文していたのはチャーシューを3日間かけて煮込んだ、濃い味付けの「やわらか肉丼」(税込み480円)だった。上田さんは「ラーメンをすすってた記憶がないんだよね。肉丼は一瞬の思いつきで商品化してヒットしたものなんです」と振り返った。
今や日本代表でありメジャーを代表する選手となった大谷だが、「体もそこまで大きくなくて、物静かな好青年。周りが騒いでいても、一歩引いて落ち着いてる感じだったよ。最近、テレビで見る度にデカさに驚いている」と当時を思い出しながら笑った上田さん。世界一に向けて「もう優勝しかないよ!! やっぱり大谷君のホームランが見たいな。もし打ったら、鉄砲ラーメンを100円引きすることも考えてます」と宣言した。(坂口 愛澄)