日本サッカー協会は15日、第2次森保ジャパンの初陣となる親善試合(24日・ウルグアイ戦、28日・コロンビア戦)のメンバー26人を発表した。4年間主将を務めたDF吉田麻也(34)=シャルケ=、長友佑都(36)=FC東京=らベテラン勢が選外に。FW中村敬斗(22)=オーストリア1部・LASK=ら4人を初招集し、昨秋のカタールW杯後の新戦力は10人に上った。平均年齢は98年フランスW杯後の初陣では最年少の24・5歳と一気に若返りと世代交代を進め、世界一を目指す26年北中米W杯へ新たな船出を迎える。
会見場で配られた26人の招集メンバー表に、昨秋のカタールW杯を沸かせたベテランの名前はなかった。W杯3大会連続出場の吉田や浦和DF酒井宏樹(32)、同4大会連続の長友は選外。いずれも来年1月のアジア杯出場など代表活動へ意欲を見せていただけに、一定の衝撃があった。森保一監督(54)は「彼らがやってくれるのは計算できる。彼らがいなくなった時に日本の力をどれだけつけていけるか」と、脱ベテランの意図を語った。
3年後のW杯時は吉田が37歳、酒井は36歳、長友は39歳。3人を「チームづくりの上で支えてもらった」とピッチ内外で存在感を高く評価した。過去4年の流れを踏襲すれば円滑なチームづくりが見込まれるが、ベテラン不在だからこそ生まれる新戦力の台頭を期待した。
コーチを務めた18年ロシアW杯から共闘してきた年長選手の特長は把握済み。日本史上初めてW杯後も続投した森保監督ならではの“大ナタ”とも言える。「より選手層を厚く、強くし、最強の日本代表を将来的につくっていく。ベテランと若手の競争力をどうチーム力に生かすか。融合は必ず必要になる」と力説した。
三笘、久保らカタールW杯メンバー16人に、初招集4人を含めた計10人の新顔が並んだ。平均年齢は24・5歳。カタールW杯開幕時(27・8歳)から3・3歳若返り、W杯後の初陣では歴代最年少となった。国際Aマッチ経験では、キャップ数は37・6試合(大会終了時)から14・1に激減。指揮官は「経験の浅い選手にもチャンスを与えながら成長してほしい」と強く呼びかけた。
長友、酒井が招集外のサイドバックは世代交代が如実に表れた。東京五輪世代の菅原と橋岡、パリ世代のバングーナガンデ、半田ら20代前半の選手がズラリ。最も新戦力が求められるポジションで、活躍次第では一気にレギュラー取りが可能だ。DF登録は26歳の板倉が最年長となり、9人中6人がカタールW杯後の新戦力。ロシアW杯後の初陣で初招集された冨安、堂安のようにA代表の主力へ大化けする選手を待望する。
FIFAランクで日本を上回るウルグアイ、コロンビアとの初陣。森保監督は「選手個々の力、チームの攻守の戦術も全てレベルアップしなきゃいけない。W杯で世界一を目標に考えながら、今の力を最大限上げていきたい」。新たな“10人の侍”を加え、再スタートを切る。(星野 浩司)