静岡北高の丸山留依が自転車競技で初の日本一…昨年落車で開頭手術、大けが乗り越えた

スポーツ報知
男子1キロタイムトライアルで優勝した静岡北の丸山(学校提供)

 全国高校選抜自転車競技大会が11日、福岡県の北九州メディアドームで行われ、男子1キロタイムトライアル(TT)で丸山留依(るい、静岡北新3年)が1分6秒359をマークし、初優勝した。「初の全国大会でまさか優勝できると思わなかった」と、信じられない様子。ただ一人、1分6秒台の快勝劇だった。

 プロ競輪選手を父に持つ丸山は、昨年6月、豊橋競輪場で行われた東海高校総体の団体追い抜きで落車。頭部を強打して緊急入院した。開頭手術ではしばらく頭蓋骨を外したままで、5日間意識不明になるなど生死をさまよった。3週間の入院生活後、8月にようやく、自転車に乗れるようになるまでに回復した。

 福岡の現地で次男の雄姿を観戦した父・啓一さんは「医者からは最悪なことを想定するように言われた。一時は、健常者でいられるか分からなかったのに」と、しんみり。「もう感動しかないです」と、愛息の快挙を喜んだ。

 中学まではサッカー部で高校から始めた自転車競技。将来は父と同じプロ競輪選手を目指している。「顧問の先生をはじめ、部員のみんなが支えてくれたからこそ。何より、両親のサポートのおかげです」と、周囲に感謝の気持ちを忘れない丸山。死の淵からよみがえった17歳が、福岡の地で奇跡の優勝劇を起こした。

 ◆丸山 留依(まるやま・るい)2006年1月10日、静岡市生まれ、17歳。静岡北高に入学してから自転車競技を始めた。家族は両親と兄、妹。169センチ、68キロ。

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