【楽天】喜多方市出身のドラ4伊藤茉央が1回パーフェクト…3・11のサヨナラ勝ちに貢献

3番手で登板したルーキーの伊藤
3番手で登板したルーキーの伊藤

◆オープン戦 楽天6-5ロッテ(11日・静岡)

 楽天は東日本大震災から12年目を迎えた11日、ロッテとのオープン戦(静岡)で劇的なサヨナラ勝ち。福島・喜多方市生まれのドラフト4位・伊藤茉央投手(22)=東農大北海道=が1回をパーフェクトに抑えて白星を呼び込んだ。

 5―5の7回。先頭の友杉を直球で二ゴロに仕留めると、平沢を右飛、安田を直球で二ゴロに料理。わずか8球でスコアボードに「0」を刻み、逆転の流れを呼び込んだルーキーは「今野球ができてるっていうのは、当たり前ではなく幸せなことだと思いますし、それを一番に感じながら投げてました」とかみ締めた。

 遡ること10年前。チームが成し遂げた東北悲願の日本一に東北中が沸いた。当時小学生だった茉央少年も幼いながらに胸が高鳴った記憶がある。「自分は震災後の優勝で勇気だったり感動を与えていただいた側。今度は自分の投げてる姿で東北の皆さんを盛り上げていきたい」と東北出身者としての使命感を抱いてマウンドに立っている。

 試合前の午後0時52分に黙とうがささげられ、球場には半旗が掲げられた中で行われた一戦。9回にサヨナラ打を放った渡辺佳は「シーズン中じゃないですけど、一番負けてはいけないと思う日。東北代表のチームとして、今日は勝てたということもよかったですし、いい試合ができたというのは非常によかった」としみじみ語った。

 10年ぶりの歓喜を味わうためには若鷲たちの力が不可欠。そう改めて感じた「特別な日」だった。(長井 毅)

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