サッカー日本代表の森保一監督(54)、アーティスティックスイミング(当時シンクロナイズドスイミング)の1988年ソウル五輪銅メダルの小谷実可子さん(56)、立大男子駅伝チームの上野裕一郎監督(37)が10日、東京・豊島区西池袋の立大池袋キャンパスで行われた「立大スポーツウエルネス学部開設記念講演会」に出席し、指導方針などについて意見交換を行った。
今年の第99回箱根駅伝(1月2、3日)に大会史上最長となる55年ぶりの“返り咲き”出場を果たし、18位となった立大の上野監督は、37歳となった今でも日本トップクラスの走力を持ち「日本一速い監督」と呼ばれる。今年の全国都道府県対抗男子駅伝(1月22日、広島市)では長野県チームのアンカーをとして優勝のゴールを切り、圧倒的な存在感を示した。選手と一緒に走って指導するスタイルを続ける上野監督は、立大のエース格と同等の走力を持ち、2009年世界陸上出場など選手としての実績は、立大の現役ランナーより格段に上だ。
「森保監督は現役時代、日本代表にも選ばれた立派な選手でしたけど、選手としての実績は今の日本代表選手の方が上ですよね。現在、立大には私より実績がある選手はいませんが、いずれ、私の実績をはるかに超える選手を指導したいと思っています。選手としての競技実績が自分より上の選手に対して、どのように接すればよいのでしょうか。それが森保監督に一番、聞きたいことです」。上野監督は「日本一速い監督」ならではの率直な質問を森保監督に投げかけた。
三笘薫(ブライトン)、久保建英(レアル・ソシエダ)ら欧州のトップリーグで活躍する選手を率いる森保監督は「選手をリスペクトすることでしょう。そして、こちら側は指導者として、選手がどうすればさらに成長できるか、選手の力になることが大事なことだと思います」と上野監督の質問に丁寧に答えた。
講演中、上野監督は森保監督や小谷さんが発言している際、前のめりな姿勢で熱心に聞き入り、指導者として成長しようとする意欲的な姿勢を見せていた。