NHK大河「どうする家康」、たわけ者扱い連発に泣くダメダメ松潤にSNSも同情 第10回見どころ

12日放送「どうする家康」第10回の一場面
12日放送「どうする家康」第10回の一場面

 嵐の松本潤が江戸幕府の初代将軍・徳川家康を演じるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜・後8時)の第10回「側室をどうする!」(12日放送)で、家康に新たな問題が舞い込む。

 正室に瀬名(有村架純)がいて、子供にも恵まれているものの、母・於大の方(松嶋菜々子)には物足りない。側室を迎えてもっと子供を増やせと要求する。側室に選ばれた侍女のお葉(北香那)と“ライバル”の登場に複雑な表情の瀬名。今度は女性陣がダメダメ家康を困らせる。

 前週の第9回「守るべきもの」(5日放送)では、家康3大ピンチの一つ、三河一向一揆が終結した。勝っても領土が増えるわけでもなく、長引けば長引くほど自国の力が衰えるという不毛な内乱。家康が取った手段は講和だった。

 家臣だったのに、裏切って相手の軍師になっていた本多正信(松山ケンイチ)は戦後、謝るどころか家康を説教。「仏にすがるのは現世が苦しいからじゃ」「お前が民を楽にしてやれるのなら、誰も仏にすがらずに済むんじゃ」「民から救いの場を奪うとは何事じゃ、この大たわけが!」と、お前呼ばわりの上、面と向かって言いたい放題。しかも的を射た指摘に家康も泣くしかなかった。

 第8回でも妻の瀬名に「あほたわけ」と、たわけ(ばか者)扱いされていたことを思い出す。SNSでも「松ジュンがかわいそうだなんとかしてやりたい…」「殿が殿が、、かわいそう、、、」との声が相次ぐ。

 老臣の言葉も響いた。滑舌が悪く何を言っているか分かりにくい家臣・鳥井忠吉(イッセー尾形)は「主君なる者は家臣を信じるほかないのだわ」と提言。できない場合は「謀反の疑いが少しでもある者をことごとく殺すことでごじゃる。一人残らず片っ端から」と説いた。

 前作「鎌倉殿の13人」は間違いなく後者だった。源頼朝(大泉洋)と北条義時(小栗旬)が、家臣を含めて自分たち以外を次々と謀殺。比べると家康が殺した人間は思いのほか少ない。正信を始め、裏切った家臣を許し、戦いでも敵将の子供も殺さなかった。登場人物がウソばかりを言って、お茶の間よりもサラリーマン層に刺さっていた「鎌倉殿の13人」と、情け深く女性子供層に人気の「どうする家康」。世帯視聴率は大差ない数字だが、局関係者の「見ている層は全然違うようです」という言葉もうなずける。

 前週の平均世帯視聴率は11・8%でややダウン。同時間帯ではテレビ朝日系「ポツンと一軒家」の13・2%に次ぐ数字だった。家族や家臣、謀反人にまで泣かされているダメダメ家康。頼りない一面ばかりが描かれるが、不思議と嫌いになれない人物像だ。三河の家臣団もこのような気持ちだったのだろう。リーダーに必要な資質を改めて考えさせられる。(NHK担当・浦本将樹)

 ※視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区

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