春の全国高校選抜大会の各競技が各地で行われる。スポーツ報知では話題校や注目選手を随時紹介。第一回は、昨秋のとちぎ国体自転車競技の少年男子スプリントで優勝した星陵の大塚城(じょう、新3年)を取り上げる。父・英伸さんはS級に所属する競輪選手。将来、同じプロの道も考えているという長男が、北九州のバンクで2つ目の全国タイトルを狙う。
国体王者の看板を背負って大塚が、九州に乗り込む。「全国選抜でも優勝を狙いたい」。男子スプリントで昨秋の国体に続き、高校2つ目の冠に、照準を合わせる。星陵高OBでは、2018年の長田龍拳以来、5年ぶり日本一を目指している。
昨年の全国選抜と昨夏の全国総体では、いずれも決勝トーナメント初戦で敗退。全国トップ級の壁に阻まれてきたが、国体前の県合宿できっかけをつかんだ。母校の2つ先輩で全国総体スプリント王者・井出晃太郎(中大1年)につきっきりでフォームを研究。「後ろで走らせてもらった。強い選手がいて刺激になった」。ハロン(200メートル)の最速タイム10秒79から10秒70にスピードアップし、国体Vにつながった。
小学生時代はミニバスの選手。富士根北中でもバスケット部に入り、当初、高校でも続ける予定だった。「父が競輪のプロ選手なんで、自転車競技も少しは(ほかの人より)有利かなという思いもあった」。迷いながら入った新天地でメキメキ頭角を現した。部活動以外に、自宅でもローラーなどで練習している。父には、「試合の動画を見ながら作戦を指摘してくれることもあります」と、助言をもらう。プロレーサーからのアシストを胸に大塚が北九州のバンクを疾走する。(塩沢武士)
〇…大塚のほかに星陵から男子4キロ速度競走の佐藤颯(新3年)と、飯野晴海(はるか、新2年)が出場する。ともに全国初舞台。沼津から片道約25キロを自転車で通学する佐藤は「入学当初は1時間半かかったけど、今は1時間で着くようになった」と、自慢の脚力で勝負。将来、母親と同じ看護師を目指している飯野はケイリン、ロードなど3種目にエントリーするが、「500TTで勝負したい」と、キッパリ。そろって「目標は入賞」を掲げた。