「第16回尺代水無瀬川あまご釣り大会」(主催・尺代漁業協同組合)が2月22日、大阪・島本町の水無瀬川「尺代あまご・マス釣り場」で開催された。参加者は31人で、競技時間は午前9時から同10時10分まで。釣ったアマゴの総尾数で順位を競った。
自然豊かな大阪・島本町を流れる水無瀬川。その伏流水は、大阪で唯一「名水百選」に選ばれた水無瀬神宮で湧出する「離宮の水」として親しまれている。森林が生み出した清らかな水で育った「尺代あまご・マス釣り場」のアマゴやニジマスは、美しく、食味が良いと評判だ。
この日の天候は曇り、水温は午前7時半で4度。釣り場は抽選によって決定し、餌は尺代漁協が提供したイクラのみで技を競い合った。
同9時に競技開始。参加者たちが仕掛けを投げ入れると、一斉にアマゴが食いついた。河原では竿をしならせて魚を取り込む人の姿が続く。前日の降雨で水量が増えた影響か、低水温にも関わらずなかなかの高活性だ。70分の試合時間で2ケタ釣果を挙げたのは31人中27人。そのうち、15尾以上はなんと21人も!
混沌(こんとん)とした激戦を制したのは、20尾を仕留めた川村空生(ひろお)さん(80)=門真市=。釣りなら川も海もなんでもこなす、釣り歴60年以上の大ベテランだ。サンテレビの「ビッグ・フィッシング」にも出演し、2009年には同番組が主催する「釣り堀名人戦」で優勝。賞品の軽自動車をゲットしたエピソードを持つ。漫才師のオール阪神さんとも親交があり、一緒に釣行しては腕を磨いている。
この日は29番の釣り場に入った。広範囲に仕掛けを流してハイペースで釣り上げ、開始20分間で15尾をキープ。長い沈黙の時間も流れたが、残り時間が5分となったところで1尾を追加。釣果を20尾の大台に乗せ、勝ちをたぐり寄せた。川村さんは勝因を「(抽選で引き当てた)場所に恵まれただけ」と謙遜したが、実績が実力を物語っている。一昨年が3位、昨年は準優勝と着実に順位を上げ、今回、念願の初優勝を果たした。「偶然にしては出来過ぎ。うれしいの一言です」とニッコリ。
大会は盛況のうちに幕を閉じ、主催した同漁協組合長・渕本一雄さんは「釣果も良く、皆さんから楽しかったとの声が届き、本当にうれしく思う」と目尻を下げ、そして「3月後半になると水温が上がり、もっと釣れるようになる」と太鼓判を押した。
「尺代あまご・マス釣り場」は、グループやファミリーも手軽に釣りを楽しめ、河原ではバーベキューが可能。広くて安全な釣り場で、自然を満喫しながらのんびりと過ごすには最適な場所だ。
(大塚 真哉)
◇問い合わせ 尺代漁業協同組合(TEL075・961・6500)へ。ホームページあり。
◇料金 アマゴ釣り4300円。ニジマス釣り大人3900円、小人2900円。
◇時間 午前8時から午後5時で、営業は5月中旬まで。
◇その他 貸し竿や餌の販売あり。
釣り仲間5人で愛知・豊橋市から長駆参戦した酒井敬冶さん(68)は、抽選に負けて惜しくも準優勝に。「昔からクジ運が悪くて」と苦笑いだ。コロナ禍で2年間の自粛を経て、3年ぶりに出場したこの日の釣り場は5番。広くて川底の起伏が少なく、釣りづらいとされる上流のエリアで腕前を発揮し、トップ釣果の20尾を釣り上げた。初めて渓流釣りの竿を握ったのは7年ほど前。尺代の釣り場にはその頃から通い始め、「野鳥もいて、ゆったりくつろげる」とすっかりお気に入りの様子だった。また、この近隣に住む「先輩の顔を見るのも楽しみで」と再会を果たし大満足。来年のリベンジを誓い、笑顔で会場を後にした。
「第16回尺代水無瀬川あまご釣り大会」に参加した。常連客の中にはこの大会を楽しみにしている人が多く、年に1度の同窓会的な雰囲気がある。私もその一人だ。毎年顔を合わせるメンバーとあいさつを交わし、釣り情報を交換するのも楽しみのひとつとなっている。
競技開始10分ほど前からは、和やかな雰囲気は一転。各釣り人は闘志満々のピリッとした表情で競技に備えた。短時間の競技なので、掛けバラシやトラブルなく釣ることが好釣果を挙げるキモとなる。朝冷えはあったが、水況は上々で好釣果が期待された。
午前9時、開始の合図で一斉に仕掛けが投入された。この1投目で釣れれば、ほぼ間違いなくいい釣りができる。イクラの2粒付けで手前の筋を流すと、ツンというアタリ。アマゴらしい鋭いアタリを取ったが、餌だけを取られた。次はタイミングを少し遅らせて合わせると、かすかにハリに掛かったが外れた。その次はもう少し待って合わせて、やっと1尾ゲットした。
合わせるタイミングが分ればこちらのもの。仕掛けを流す筋を変えながら、10尾連続で釣り上げた。全体的に型が良く、きれいなアマゴがそろっていた。
しかし、開始20分を過ぎると様子が変ってきた。警戒心が強くなったアマゴは、同じ釣り方では餌に飛びつかない。そこで、オモリをG3からB2に交換。上流で仕掛けを止め、ユラユラさせた後にトンと落としてやると待ちかねたように引ったくっていくアタリ。中層で餌が流れるように止めては流し、メリハリをつけて釣った。ひと流しごとに探るポイントを変え、ハリを小さくするなど、こまめに調整することで7尾を追加できた。
また、急激に食いが渋くなった30分を経過した頃からは、オモリをG5に替え、大石周りを丹念に探り2尾追加した。
あっという間の70分。私の最終釣果は19尾だった。6人が同尾数で並んだが、抽選で3位に滑り込むことができた。閉会式で上位3賞と飛び賞の表彰、参加賞が全員に手渡され、大会は終了した。
当日は天候、水況などの条件に恵まれ、近年の釣り大会では全般的に一番良く釣れた大会となった。
(報知APG・峰松 茂美)