◆WBC強化試合 宮崎梅田学園7-5中国(7日・サンマリン宮崎)
WBC中国代表が7日、サンマリン宮崎で社会人の企業チーム・宮崎梅田学園と本戦前の最後の強化試合に臨み、5-7で敗れた。大谷翔平投手の先発が予想される9日の初戦・日本戦(東京D)では苦戦が予想されるが、ナインはネバーギブアップの精神でぶつかる覚悟を示した。
思えば2月22日の来日初戦は同じ社会人のエイジェック相手に0-16だったのだ。中国は2週間で状態を上げてきた。この日は14安打を放ちながらも、長打は二塁打1本のみ。ディーン・リロイ監督は「安打数に比べて得点が少ない」と振り返ったが、「WBCが始まるという気持ちでいっぱいだ」と胸を躍らせた。
日本との実力差はいかんともしがたい。ワンサイドになる可能性も高い。大谷相手にまずは1点-というのが現実的な目標だろう。鍵を握るのが元ソフトバンクで現在は日立製作所でプレーする3番の真砂勇介と、4番の陳晨だ。この日も真砂は3打数2安打、陳晨は4打数4安打3打点と暴れた。
陳晨に聞いた。
「昨日の大谷の2発、動画見ました?」
彼は笑顔で「見ました。本当に凄いです。少しでも近づいていけるように頑張りたいと思います」と瞳を輝かせ、「WBCはとにかく素晴らしい舞台。どの選手も最高のパフォーマンスを見せると思う。私も努力をして、最後まであきらめずに頑張りたいと思います」と意気込んだ。
そのやりとりを聞いていたリロイ監督は私に、こう言った。
「大谷選手にも、ウチの真砂と陳晨がヒットを打ったのを見たかどうか、聞いておいてくれよな!」
ほとばしるライバル心。いざ、勝負だ。(加藤 弘士)