◆サーフィン ホワイトバッファロー 日向プロQS3000最終日(5日、宮崎・日向市お倉ケ浜海岸)
男子は田中大貴が準優勝し、クオリファイシリーズ(QS)のアジア枠ランキングで3位に浮上した。決勝は終盤まで競った展開で、残り8分でエアリバースを決めたジョン・マーク・トコン(フィリピン)に敗れた。それでも「満足はしたくないけど、悔しさよりも、やりきった感じ。成長が感じられた」と充実の表情を浮かべた。
昨年の海外遠征で仲良くなったトコンとは大会期間中、「絶対、決勝でやろう」と言い合ってきた。フィリピンからの参戦にあたり、田中が会場近くにある自分の友人の家に泊まれるように手配。古くなったウェットスーツしか持っていないトコンのために、仲間からスーツを集めるなど身の回りの世話もした。悔しさもあるが「親友の優勝を心から喜べた」と明るく話す。
21年にプロサーファーの野呂玲花と結婚し、同年12月に第1子となる女児が誕生した。「結婚して何が変わるかな? と思ったけれど、頑張ろうと思える環境になった」という。野呂は産後3か月の22年4月から復帰し国内ツアーを中心に転戦。「トレーニングを一緒にやったり、アドバイスしたり。切磋琢磨できている」相乗効果も生まれている。
昨年10月に痛めた右足首の靱帯は完治していない中でも、チャレンジャーシリーズ(CS)出場権獲得が見える位置につける。「ケガをしていてもやれることをやって結果がついてきた。人生で初めて、努力は裏切らないと実感できた」と転機になりそうな準優勝。妻子も帯同予定の次戦、オーストラリアの大会でCS切符を確実なものにしたい。
◆チャンピオンシップツアー(CT)への道 CTは男子36人、女子18人で争う。シーズン中盤にある男子23位、女子11位以下は残り試合に出場できなくなる「ミドルカット」で残った選手は、来年のCT参戦が確定する。その他の選手は毎年8月から始まるチャレンジャーシリーズ(CS)全7戦に参加し、獲得ポイントで男子は上位10人、女子は上位5位が翌年のCT出場資格を得られる。CS出場は各地域で開催されるクオリファイシリーズ(QS)の上位者で、日本が含まれるアジア枠は男子上位5人、女子上位3人とワイルドカード男女1人ずつがCS出場資格を得る。QSは優勝獲得ポイントで3つのグレード(1000、3000、5000)に分かれている。