2016年リオデジャネイロ五輪競泳男子400メートル個人メドレーで金メダルを獲得し、21年東京五輪後に現役を引退した萩野公介さん(28)と、ガールズグランプリはじめ数多くのタイトルを得ながら22年5月でガールズケイリンの選手生活にピリオドを打ち、女性初の冠レースが創設された高木真備さん(28)が5日、東京都調布市の京王閣競輪「高木真備名輪会杯」最終日第7R終了後、場内のガーデンシアターでスペシャルトークショーを行った。
壇上に登った萩野さんと高木さん。まず、萩野さんの略歴が紹介されると、栃木県出身の萩野さんは「ざっくり言って神山雄一郎さんの後輩です」と話して会場はドッと沸いた。ファンの心をしっかりつかむと、初めて競輪を生観戦した感想について「人間ってあんなに脚を速く回せるのかなって思いました」。競馬ファンで武豊騎手とも交流があり、「武さんも競輪好き。何か予想のしがいがありますね」と競輪の世界に興味津々だった。
高木さんが「タイムがいい人でなくても1着をとれるのが競輪ですね」と説明すると、「スタートの位置取りはどうなんですかね」など高木さんに質問攻め。「メンバーによって、この人よりは前に行きたいとか、後ろの方がいいとかを考えますね。グランプリを制したときはひとつだけパターンを決めて走りました。それでダメならしょうがない、とね」。高木さんの返答に、萩野さんは「やっぱり予想のしがいがありますね」と軽快なトークを演じた。
大きな大会でのルーチンを聞かれた萩野さん。「神社とかで大吉が出るまでおみくじを引きましたね(笑い)。ただの変人です(さらに笑い)。レース前は、まず会場全体を見渡して広い視野で見ますね」。それには高木さんも反応して「いつも緊張して呼吸もドキドキしていたので、もっと早く知れていたらよかったな」。
今後について萩野さんは「人は何でスポーツをやっているのか理解したい。意味をいろいろ知りたいですね。価値を知りたいです」。そして「毎週ラジオをやっているので、ラジコとかで視聴して下さい」とPR。一方、高木さんは「新しいことに挑戦してみたい。今はドッグトレーナーの勉強をしていて、発信していきたい」と抱負を語った。
お互い1994年8月生まれの28歳という同級生。誕生日も2日違いと近いことから、終始和やかなムードで行われたスペシャルトークショーだった。