◆サーフィン ホワイトバッファロー 日向プロQS3000最終日(5日、宮崎・日向市お倉ケ浜海岸)
女子は脇田紗良(20)が2022年アジアオープン以来となるクオリファイシリーズ(QS)2勝目を挙げた。決勝で2本合計10・25点を出し、同9・15点の池田未来を下した。賞金3万ドル(約408万円)を獲得し、3000ポイントを加算しQSランキングで10位から6位に浮上。「優勝は絶対条件だった。チャレンジツアー(CS)入りにも近付けた」と笑顔が輝いた。
脇田は決勝開始から2分過ぎ、1本目のライディングで3発のターンを入れて5・00点を出した。自称「緊張しい」でこれまで1本目は失敗することが多かったが、大会1か月前から初めてコーチをつけてメンタル面も向上。さっそく成果を発揮すると、その2分後にも切れ味鋭く大きなターンで5・25点を出して15歳の池田にプレッシャーをかけ、主導権を渡さなかった。
昨年はCS出場権を得たが、食中毒など体調不良の連続で満足に戦えなかった。不調をおしても転戦を続けたことで、海外選手と練習する時間が増え、東京五輪銅メダリスト都筑有夢路(木下グループ)の活躍を間近で見るなどモチベーションが上がる要素をたくさん得た。
「頑張らないと」と位置付けた23年。初戦の今大会を前に、自分を「追い込めるように」コーチをつけ、トレーナーと週2、3回の陸上トレーニングで足腰を鍛えた。「プロの目で指導してもらえてよかった。疲れにくくなって、パドルが速くなった」と効果を実感し、狙った結果を出した。
昨年10月10日で20歳になった。「あちこち転戦していると1年はすぐ過ぎる。きのう17歳だったのにもう20歳になっちゃった」と明るく笑う。父・貴之さんはパイプラインに名を刻む名サーファーで、帯同する母・小百合さんもサーファー。兄の泰地もプロで活躍する一家に育ち、自身も「サーフィンを人生にしたい」という脇田。151センチの小さな体で大きな夢を追い、次はオーストラリアで大会に出場する。
◆チャンピオンシップツアー(CT)への道 CTは男子36人、女子18人で争う。シーズン中盤にある男子23位、女子11位以下は残り試合に出場できなくなる「ミドルカット」で残った選手は、来年のCT参戦が確定する。その他の選手は毎年8月から始まるチャレンジャーシリーズ(CS)全7戦に参加し、獲得ポイントで男子は上位10人、女子は上位5位が翌年のCT出場資格を得られる。CS出場は各地域で開催されるクオリファイシリーズ(QS)の上位者で、日本が含まれるアジア枠は男子上位5人、女子上位3人とワイルドカード男女1人ずつがCS出場資格を得る。QSは優勝獲得ポイントで3つのグレード(1000、3000、5000)に分かれている。