対戦型パズルゲームのセガ公式eスポーツ大会「太陽生命 ぷよぷよファイナルズ SEASON5」が4日、鹿児島市のセンテラス天文館で開催された。今シーズンで好成績を収めたトッププロ12人がリーグ戦で激突する“年間王者決定戦”を制したのは、ともくん選手。SEASON2、4に続く3度目の優勝で、史上初のファイナルズ連覇を達成した。
20歳の若き天才プレイヤーが、またしても栄冠を手にした。33歳のレジェンド・Tom選手と対決した決勝戦でも、“ぷよぷよ王子”は冷静沈着だった。10勝先取の2セットマッチ。一進一退の攻防となったが、第1セットを10―8で制すと、第2セットも大混戦から10―9として連取。試合中には時折笑顔を見せるなど、激戦を楽しむように3度目の年間王者に輝いた。
一時は予選敗退の危機にあった。出場12人が2ブロックに分かれて決勝戦への切符を争った予選リーグの初戦。宿敵のぴぽにあ選手に2―10で完敗した。「ショックで、メンタル的につらかった」。肩を落として控え室に戻り、ふとスマホを見るとSNSにファンからの応援メッセージが届いていた。「生配信を見てくれた人から、『まだいけるぞ!』って。うれしかったですね」。これで背筋が伸びた。その後は破竹の4連勝。強豪ぞろいの予選Bブロックを首位で突破した。
決勝戦で戦ったTom選手は、ともくん選手の強さをこう解説する。「常に大きな連鎖を視野に入れている。それでいて、短い攻撃も得意。選択肢の幅が広く、さまざまな戦況に対応できるから強い」。決勝第1セット第12ゲームでは、ともくん選手自ら「公式戦では過去最大」と振り返った驚異の17連鎖を組み上げて完勝。一方、9―9で迎えた第2セット最終ゲームでは、5連鎖を先打ちする速攻で一気に勝負を決めた。強さの理由を聞かれると「強いて言うなら『勝負勘』ですね」と小さくほほ笑んだ。
初めて鹿児島の繁華街で開催された今大会。多くの人が足を止め、アーケードの入り口の大画面に映し出された“ぷよぷよ頂上決戦”にくぎ付けになった。客席は瞬く間に満席となり、立ち見客も出る盛況ぶり。万雷の拍手を受けた現役大学生プロは、賞金100万円の使い道を聞かれると「貯金と学費です」といつも通りに答えたが、「うなぎも食べようかな」とにっこり。養殖うなぎ生産量日本一の鹿児島からパワーをもらい、来期は前人未到の3連覇を目指す。
■ぷよぷよ総合プロデューサーの細山田水紀さん「僕が鹿児島の出水市出身で、いつか故郷に恩返ししたいと思っていた。今日は多くの人が集まってくれて、とても感動しています。いずれは世界にぷよぷよの面白さを届けていきたい」