◆第18回大田区長杯 第53回日本少年野球春季全国大会東京都東支部予選(中学生の部)▽決勝 志村ボーイズ9―2東京城南ボーイズ=5回コールド=(2月28日・大田スタジアム)
3年連続同一カードとなった決勝では志村ボーイズが2連覇中の東京城南ボーイズを5回コールドで下し優勝。5年ぶり14度目の春季全国大会(3月26日開幕、大田スタジアムほか)の出場を決めた。2回2死満塁から向山瑛太(2年)の走者一掃の二塁打などで先制すると、4回に5安打で5得点し突き放した。2番手・銭康裕(2年)は2回を零封、今大会4戦で10イニング無失点と躍進の立役者となった。
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ウィニングボールが右翼手・鈴木温斗(2年)のグラブに収まるのを見届けると、マウンドの銭は両手を高々と挙げジャンプ。主将の小河徹平(2年)が駆け寄り歓喜の輪が広がった。
猛練習で扉をこじ開けた。2年連続決勝で敗れた宿敵・東京城南にリベンジ。2回2死満塁で1番・向山が右中間へ走者一掃の二塁打を放ち先制。2点差に迫られた4回には向山、木村勇翔(2年)の連続タイムリー、鈴木の2点三塁打などで5点を加えダメを押した。4打点を挙げた向山は「今日も朝6時からグラウンドで打ち込んできたので自信があった。右方向への打撃は持ち味なので」と胸を張った。2番・木村は3安打2打点2盗塁と活躍し「今までで最大限の感激です」と喜びに浸った。守っても捕手・小枝煌雅が3回盗塁を刺し阻止率10割。「(相手は)いつでも走ってくるので準備していた。ストレートに強いので変化球を多めにした」とリードもさえた。
NPB12球団ジュニアトーナメントのメンバーを多数擁する東京城南に比べ、志村は0人。チーム1期生の佐藤稔監督(55)は「1年生大会で大敗したチームがここまで…。よくやってくれた」と選手をたたえた。
筋力アップにも器具を使わず、懸垂やタイヤひきなど地道な練習で鍛え抜いた。「タイヤ押しがきつかった。でも間違いなく力になった」とは最後を締めくくった背番号10の銭。今大会は最速127キロを4戦で無失点と成長を遂げた。先輩たちの悔し涙を見てきた129キロ右腕で主砲の小河は「みんなで一つになって勝つことができたのがうれしい。目標は日本一です」。創部44年目、1986年夏から3季連続で日本一に輝いた名門が新たな歴史を刻む。
【志村ボーイズ・メンバー】▽2年生 小河徹平、小枝煌雅、小野壮秦、中島航作、木村勇翔、齋藤慶二、向山瑛太、寒田絢太、鈴木温斗、銭康裕、熊谷晄、佐伯悠真、鎌田康介、所一輝、坂絆麗、河野雅也、大田蒼空、齋藤鷹一、小河原康平 ▽1年生 鵜飼健生、中野寿一、福村直峰、上田琉矢