【大学野球】今秋のドラフト候補の主砲、静大のゴジラ佐藤啓介に複数球団が熱視線

スポーツ報知
パワフルなスイングが売りの静岡大・佐藤

 今年も静岡にはプロ野球のドラフト候補がいる。静岡大の主将を務める佐藤啓介内野手(新4年)はすでに複数球団が視察に訪れるなど、スカウトも熱視線を送る。右翼へ弾丸ライナーでぶち込む本塁打は、巨人やヤンキースで活躍しゴジラの愛称のあった松井秀喜氏(48)を思わせる。走攻守で磨きをかけ「静大支配下1号」を勝ち取る。

 佐藤の打球が火を噴く。グラウンドでの打撃練習では、ライト後方の奥の林に弾丸で何球もぶち込む。鋭いスイングで「ブゥーン」と心地良いバットスイングの音が響く。「最終目標はプロ野球で活躍すること」と言い切った。

 昨年から複数球団が練習や試合に視察に訪れるほどのプロ注目の主砲。社会人野球のヤマハにも練習参加し技術を磨く。それでも決してエリートではない。高校時代は中京大中京で、3年夏の県大会で2本塁打をかっ飛ばしたが「周りのレベルの高さを実感した3年間だった。大学で野球をやる予定はなかった」と振り返る。

 「高校野球が終わって暇になり、まずは勉強を頑張ろう」。1日10時間以上机に向かい、国立大にストレートで合格(地域創造学環)。19年には奥山皓太外野手(25)が阪神育成2位で指名され静大初のプロ野球選手になった。近年めきめきと力をつけている大学で「中途半端ではなく、野球部に入るからには全力でもう一度野球をやろう」と入部を決断した。

 勉強同様に「毎日の練習をしっかりやること」を心掛け努力を重ねている。1年秋からリーグ戦に出場。昨春は主軸として8年ぶり全日本大学選手権出場に貢献。同秋からは主将を任され「全国で勝つにはどうしたら良いのか常に考えている」と意識が高い。

 入学当時の体重は78キロ。ウェートトレーニングと食トレを重ねて現在は92キロ。高山慎弘監督(41)は「長打力が魅力。試合でたくさん結果を出してほしい」と期待する。佐藤が支配下で指名されれば静大初の快挙となる。春のリーグ戦は25日に開幕する。「まずは走攻守で一流を目指し、神宮で1勝を狙いたい。その先にプロが見えてくる」と静かに闘志を燃やす。(森 智宏)

 ◆佐藤 啓介(さとう・けいすけ)2001年5月24日、愛知県大治町生まれ。21歳。小学1年時に野球を始め、小、中は中京ボーイズに所属。高校は中京大中京でプレー。3年夏は愛知大会4強に入り、背番号15で全試合出場し2本塁打を放つ。181センチ、92キロ。右投左打。

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