シーズンオフのある岩手競馬と金沢競馬は、3月中旬から特別開催が始まる。そして馬産地にあるホッカイドウ競馬では、16日から2歳馬の能力検査がいよいよスタートする。先々週、開催日程や今季の概要が発表されたが、今シーズンは4月19日~11月9日の火水木曜(一部変則あり)全82日間。馬場の全面改修やオーストラリア産の新しい砂の入れ替え作業などの影響で、昨年より1週遅い開幕となった。
全日本的なダート競馬の体系整備は今年の2歳戦から始まる。2歳の交流重賞が2つ行われるホッカイドウ競馬は、ダート競馬改革元年の象徴だ。JBC競走の2歳カテゴリーに位置付けられるJBC2歳優駿は11月3日。また、2歳牝馬唯一の交流重賞であるエーデルワイス賞は11月1日に設定された。中央馬を含めて複数勝ち馬の出走を促す上で、例年より日程を遅らせた。レースレーティングを高める意味でも重要な狙いである。
そして翌年の兵庫チャンピオンシップに向けた各主催者・各ブロックの短距離競走の体系整備に伴い、2歳重賞としてネクストスター門別が10月5日に新設された。牝馬は1か月後のエーデルワイス賞に直結。牡馬の短距離馬にとっては地元の目標レースになるとともに、11月22日に園田で行われる兵庫ジュニアグランプリのステップとなる。
2歳重賞の1着賞金は、H3競走(イノセントカップ、フルールカップ、フローラルカップ、リリーカップ、サッポロクラシックカップ)が400万円、H2競走(栄冠賞、ブロッサムカップ、ブリーダーズゴールドジュニアカップ)が500万円、H1競走(ネクストスター門別、サンライズカップ)が1000万円に設定された。賞金諸手当なども、最も低いC3とC4クラスの一般競走の1着賞金が10万円増の40万円となり、他のクラスもアップするなど、様々な点で拡充される。また、過去にホッカイドウ競馬で出走した経歴がある3歳以上の馬には、シーズン最初の出走時期に応じて(開幕から6月8日まで)輸送費補助の支給が継続される。
褒賞費のアップなどの効果か、2月28日現在で3歳馬は89頭(前年同日比20頭増)、4歳以上は165頭(同23頭増)。さらに他場に遠征している馬などが戻ってくる可能性は高い。昨年の開幕当初は3歳以上の頭数が少なく、番組作成に苦労していた面があった。3歳以上の頭数が増えたことにより、開幕から一日12レース制で行える手応えは感じているだろう。2歳馬は508頭(同34頭減)と現状は少ないが、今では育成場と連携し、能検の時期は入れ替えが頻繁に行われるので、例年通りのデビュー頭数は確保できる見込みだ。
能検初日の一番時計は、16年から22年までの8頭(19年は2頭が一番時計を記録)のうち7頭が重賞ウィナーとなり、1頭は重賞2着と、重賞での活躍が約束されている。一昨年のスティールルージュ、昨年のポリゴンウェイヴは南関東の重賞勝ち馬となっており、先々を見据えても覚えておきたい。(競馬ライター)
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