【明日の金ロー】金ローにとって重要な「あの人」と大きな関わりあり?「怪盗グルーのミニオン危機一発」

「秘密メカ」が装備されている車を運転するルーシーとミニオンたち(C)2013 Universal Studios. All Rights Reserved.
「秘密メカ」が装備されている車を運転するルーシーとミニオンたち(C)2013 Universal Studios. All Rights Reserved.

 24日の金曜ロードショー(後9時)は、先週に続く「ミニオンズ」シリーズの第2弾、「怪盗グルーのミニオン危機一発」(2013年)を本編ノーカットで放送する。

 前作「―月泥棒」で月を盗み、「世界一の怪盗」の名声を手に入れたグルーは、養女にした3姉妹と楽しく暮らしていた。そんなある日、ルーシーと名乗る女性に「反悪党同盟」の本部へ連れて行かれる。その場で依頼されたのは、突然変異を起こす薬品を盗んだ犯人を突き止めることだった。

 ルーシーとコンビを組んで捜査に乗り出したグルーは、ある男に目を付ける。だが、グルーは逆に「一緒に世界を征服しよう」と仲間になるよう誘われてしまう。ルーシーと行動を共にする中で、恋心を抱くようになったグルーが選んだ答えは…。

 ベクターとの”一騎打ち”だった「―月泥棒」と異なり、今回グルーは組織の一員となって敵と対峙(たいじ)する。それゆえ、ストーリー的にはスパイ作品を意識していると考えられるが、物語に登場するアイテムや乗り物が、その雰囲気を後押ししている。ルーシーが持つ口紅を改造した銃は、いかにもな秘密兵器。「ダークナイト」(08年)でバットマンが乗っている「バットポッド」にそっくりのバイクも、スパイに似合ったマシンといえるだろう。

 何より「待ってました」と言えるのが、ルーシーがハンドルを握る車だ。桟橋から海に向かってダイブした後にボタンを押すと、一瞬で潜水艇に早変わり。これって、世界で最も有名なスパイ映画シリーズである「007」の第10作「―私を愛したスパイ」(1977年)に登場するボンドカーのロータス・エスプリそのままじゃないですか!変形する時にタイヤが横に倒れ、カバーの中に収納されるシーンは、完全にオマージュといえるだろう。

 邦題からも、日本の配給会社(東宝東和)がその意識を持っていたと受け取れる(原題は先週のコラムでも書いた、卑怯(ひきょう)を意味する単語が使われた「Despicable Me 2」)。「何で『危機一髪』ではなくて『危機一”発”』なの?間違っているのでは…」と思った人もいるかもしれないが、漢字テストでは「×」でも、スパイ映画ではこちらが「正解」だ。

 これまた「007」シリーズになるのだが、63年に全英公開された第2作「―ロシアより愛を込めて」が翌64年に日本公開された当時の邦題が「007/危機一発」。これは、「危機一髪」と銃弾の「一発」をかけて命名された。その後、72年にリバイバル上映された時に、原題(From Russia with Love)に準じて「ロシア―」と改名された。

 ちなみに、ご存じの方もいるかもしれないが、「―危機一発」のタイトルを決めたのは、当時の配給会社(ユナイト映画)の宣伝部長で、長らく「金曜ロードショー」の解説を務め、締めくくりの「いやぁ、映画って本当にいいもんですね」の名文句で知られる水野晴郎さん(08年死去、享年76)とされている。半世紀近い時を経て付けられた今作のタイトルにも意味があり、水野さんを通じて金ローとは不思議な「縁」があったのだ。(高柳 哲人)

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