倍賞千恵子81歳史上最年長受賞「男はつらいよ」以来47年ぶり!渥美清さんが「褒めてくれるかな」ブルーリボン賞・主演女優賞

「苦労したことも楽しい思い出」と語る倍賞千恵子
「苦労したことも楽しい思い出」と語る倍賞千恵子

 東京映画記者会(スポーツ報知など在京スポーツ7紙で構成)が選ぶ「第65回(2022年度)ブルーリボン賞」が23日、決まった。嵐の二宮和也(39)が「TANG タング」(三木孝浩監督)、「ラーゲリより愛を込めて」(瀬々敬久監督)で主演男優賞を初受賞。主演女優賞には「PLAN 75」(早川千絵監督)の倍賞千恵子(81)が、男女通じて俳優部門の史上最年長で選ばれた。新型コロナウイルス感染防止のため、授賞式は3年連続で中止となった。

 史上最年長となる81歳での栄冠。当時72歳だった第44回に「ホタル」で助演女優賞に輝いた奈良岡朋子(93)の記録を更新したことに倍賞は「びっくりしました。私って、そんな年なんだって。年齢をまざまざと突き付けられました」と冗談交じりに受賞を喜んだ。

 75歳から生死の選択権が与えられた近未来を舞台にした物語。当初は「重いテーマなので、戸惑いました」。ただ「そんな未来は迎えたくないという思いが、この映画を作る原動力」と語る早川監督と会ってからは「生死について考える姿勢が同じ」と意気投合。「他のスタッフも含めて『PLAN 75』という山を一緒に登りたい」と吹っ切れた。

 映画賞には独特のこだわりがある。「いただいた時は喜ぶけど、早く忘れて、気持ちを切り替えます」。慢心せず、次の作品に取り組むためだ。75年度の助演女優賞(「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」)以来、47年ぶりのブルーリボン賞だと告げられると「え?私が?」と目を丸くした。前回の受賞をすっかり忘れていたのだ。キャリア62年。その謙虚さが、長く活躍し続けている要因の一つだ。

 今後もマイペースに仕事を続ける意向で「心を打たれる作品に出会ったら、挑戦してみたい」。約30年にわたり「男はつらいよ」で共演した渥美清さん(96年死去、享年68)に思いを巡らせ「もし生きていたら、褒めてくれるかな。『大変だったろう』と言って、何か買ってくれると思う。足が痛くならないブーツが欲しいな」と少女のようにほほ笑んだ。(有野 博幸)

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