巨人が着手している「コンディショニング改革」について、自律神経研究の第一人者でもある順大医学部・小林弘幸教授が20日までに、取材に応じた。順大とは21年12月からコンディションに関する学術指導契約を結んでおり、連携して取り組んでいる。タブレット型の装置に指を置いて自律神経を測定することで、選手の「心」の状態を分析。小林教授は選手に個々に助言も送り「一番はけがの防止に活用できる。状態が悪ければ、けがを防ぐためにケアに時間をかけてほしい」と説明した。大久保打撃チーフコーチの意向もあり、22年の秋季練習から本格的に同検査を導入していた。
一般的にはストレス度(交感神経)とリラックス度(副交感神経)が均等であることが理想。体の元気度もデータ化される。中島、松田、長野らのベテランは特に安定したデータだったという。自律神経の安定に重要なのは生活習慣、食事、呼吸。「アーリーワークは時代に逆行していると捉えられるかもしれないですが、先行しているように思えます」。体の状態の「見える化」で練習量の強弱もつけることができる。
副交感神経が高い方がストレス耐性が高く、緊迫する場面で力を発揮しやすい救援向きなど、起用法のヒントにもなるデータ。今後も多方面で巨人に好影響を与えそうだ。(田中 哲)