東京実・尾熊迅斗、2位に32秒差青梅マラソン圧勝「大学では箱根駅伝で優勝。将来は五輪で日の丸」

スポーツ報知
1着でゴールする東京実業高・尾熊迅斗(カメラ・小林 泰斗)

◆報知新聞社主催 第55回記念青梅マラソン(19日、東京・青梅市 日本陸連公認コース)

 男子10キロ高校生の部は、東京実の尾熊迅斗(はやと、2年)が30分30秒で優勝した。市民ランナーの後方からスタートしながら約300人を“ごぼう抜き”。今年の箱根駅伝優勝の駒大、4位の国学院大など複数の強豪校から勧誘を受けている逸材は「大学では箱根駅伝優勝、将来は五輪出場が目標です」と大きな夢を明かした。(曇り、9・8度、湿度50%、北東の風1・7メートル=スタート時)

 日本最大級の市民マラソン大会ならではの出来事にも高校トップレベルのランナーは負けなかった。後方に並んだ尾熊がスタートラインを越えるまで約25秒。さらに市民ランナーの人混みをかき分け、約300人を“ごぼう抜き”して自分のペースで走れる状態になるまで1キロを要した。それでも、5キロでトップと13秒差の4位に浮上すると、残り2キロでトップへ。結局、2位に32秒差をつける圧勝。公式タイムは30分30秒だが、実質、29分40~50秒の価値がある力走だった。

 「最初、焦ったけど、いい経験になりました」と尾熊は冷静に表情で話した。

 中学時代はハンドボール部。陸上競技を本格的に始めてまだ2年。潜在能力は未知数だ。昨年、秋以降に急成長し、12月に5000メートルで14分5秒93の自己ベストをマーク。今年1月の都道府県対抗男子駅伝では東京都代表として4区3位で3位入賞に貢献した。

 青梅マラソンの高校男子10キロは「箱根駅伝の登竜門」と呼ばれる。18年の嶋津雄大(当時東京・若葉総合、現・創価大)ら今大会の覇者の多くが箱根路を駆けた。

 2年生の尾熊には、駒大、国学院大など強豪校が強い興味を示している。「今年の目標は全国高校総体5000メートル入賞。大学では箱根駅伝で優勝し、区間賞を取りたい。将来は五輪で日の丸を背負える選手になりたい」と尾熊は意気込む。埼玉栄高、日体大、NTT西日本で活躍した父の栄輔さん(39)が成し得なかった箱根駅伝優勝、五輪出場という大きな目標を持つ。

 青梅から箱根。そして世界へ。17歳の夢と可能性は無限に広がっている。(竹内 達朗)

 ◆尾熊 迅斗(おぐま・はやと)2006年2月12日、川崎市生まれ。17歳。東京実高入学後、本格的に陸上を始める。5000メートルの自己ベストは14分5秒93。目標とする選手は1学年上の鈴木耕太郎(国学院久我山高3年)と田中純(城西高3年)。両親ともに元長距離選手。168センチ、56キロ。

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