◆第57回共同通信杯・G3(12日、東京・芝1800メートル、良)
第57回共同通信杯・G3(東京)はファントムシーフが重賞初制覇を果たした。
課題をきっちりと克服した。ファントムシーフは前走のホープフルSで出負けしたゲートを、今回はしっかり決めた。遅い流れを見越して一時はハナに立ったが、タッチウッドが外から先手を奪おうと並びかけてきても、リズムは崩れず。折り合いがピタリとついた状態で2番手に収まった。
「いいスタートが切れて、いいポジションが取れた」とルメールが振り返るように、余力十分に迎えた最後の直線では追い出しを開始すると、グングンと加速。前との差をジワッと詰め、息の長い末脚でタッチウッドをあっさりパスすると、1馬身1/4差をつけて初の重賞タイトルをつかみ取った。「スタミナがあるので、最後もよく頑張って止まらなかった。能力があるし乗りやすい馬。自信を持って乗りました」。これが今年の重賞初制覇だったルメールは満足そうに振り返った。
クラシックの登竜門と言われ、今年も好メンバーがそろった一戦でホープフルS4着からの巻き返しに成功。ポテンシャルの高さを存分に発揮した。
西村調教師も「前回がスタートを決められずにインで出られなかったので、きょうは2番手で運びたいと思っていた」と青写真通りのレース運びに満足そう。春の大目標は日本ダービー(5月28日、東京)だけに、東京で勝ったことの意義は大きい。「上のレベルに挑戦できると思う」とルメールは太鼓判。今後も目が離せなくなってきた。(石行 佑介)
ファントムシーフ 父ハービンジャー、母ルパン2(父メダーリアドーロ)。栗東・西村真幸厩舎所属の牡3歳。北海道浦河町・谷川牧場の生産。通算4戦3勝。総獲得賞金は7457万4000円。重賞初勝利。馬主は(有)ターフ・スポート。