パドレスは9日(日本時間10日)、契約最終年を迎えたダルビッシュ有投手(36)と42歳を迎える28年まで6年契約を結んだと発表。米メディアによれば総額1億800万ドル(約140億円)で今季は3000万ドル(約39億円)となり、大谷翔平投手(エンゼルス)と同額となる模様。2年目以降の内訳は判明していない。42歳まで複数年契約を結ぶのはメジャーでも異例のオファーで、日本人投手の通算記録を今後ほとんど塗り替えそうだ。異例契約の背景をヒルマニアが解き明かす。
ダルビッシュが42歳になるシーズンまでの6年契約で合意した。パドレスでは今オフ、RソックスからFAになったZ・ボガーツ遊撃手と41歳になるシーズンまでの11年契約を結ぶなど、メジャー全体でも契約が長くなるケースが増えてきた。とはいえ、22年サイ・ヤング賞受賞のJ・バーランダー投手がFAになってメッツと結んだ契約でも41歳シーズンまでの2年契約。40代の投手には単年契約が少なくないだけに異例の契約だ。
昨年、10年ぶりに自己最多タイの16勝を挙げただけでなく、先発30試合中28試合が6イニング以上、うち25試合が自責点3以下のクオリティースタートという内容の濃さ。中でもチームがこの日契約延長を発表したリリースには、1イニングあたりの被安打と与四球の合計WHIP0・95は球団新記録と記しているなど、高い評価がある。そして、今後も大きな衰えはないとの信頼感の表れだ。ピッチングへの探究心は日米問わずトップクラス。日本ハム時代から多くの球種を扱い、若手投手の手本になると考えているのかもしれない。
42歳まで投げ続ければメジャー実働16年で野茂英雄投手の12年を大きく塗り替えるだけでなく、別表のスタッツにある多くの記録を更新できる。4日に本拠地球場で行われたファン感謝イベントでは、メルビン監督が「彼は最も心配しなくていい選手」とパドレス投手陣最年長右腕を信頼。ダルビッシュも自身のツイッターで英語と日本語で「サンディエゴ・パドレスと新たに契約を結びました! ファン、球団、チームメート、スタッフの方々のサポートに感謝しています」と、投稿。相思相愛の関係の下、契約延長は自然の流れだった。(ベースボール・アナリスト)