宮古島ワイドー・ズミ大学駅伝が12日、沖縄・宮古島市陸上競技場発着の5区間98・2キロで行われる。今年の第99回箱根駅伝(1月2、3日)で3位だった青学大、同5位の順大、同10位の東洋大、同15位の東海大、同18位の立大に加え、昨年10月の箱根駅伝予選会で20位だった芝浦工大が参戦する。
第99回箱根駅伝に大会史上最長となる55年ぶりの“返り咲き”出場を果たし、18位となった立大はA、Bの2チームが参加。今大会は学生登録選手以外の出場も認められており「日本一速い監督」と呼ばれる37歳の上野裕一郎監督が立大Bチームの1区(18・9キロ)を走る。全国都道府県対抗男子駅伝(1月22日、広島市)では長野県チームのアンカーをとして優勝のゴールを切り、圧倒的な存在感を示した上野監督は「区間賞を狙って頑張ります」と意欲的に話す。
上野監督とガチンコ対決する1区の選手は、各校ともに実力派、期待株のランナーがそろう。
青学大は鶴川正也(2年)、順大は浅井皓貴(2年)、東洋大は九嶋恵舜(3年)、東海大は越陽汰(2年)、立大のAチームは服部凱杏(3年)が1区に出陣する。
青学大の鶴川は、熊本・九州学院高3年時に全国高校駅伝1区(10キロ)で区間賞を獲得するなど、高校時代は世代トップクラスの実績を持つが、大学入学後、これまで学生3大駅伝出場経験はなし。得意の1区で快走し、新シーズンに向けて勢いをつけたいところだ。「上野監督に負けられません。でも、上野監督は本当に強いので、しっかりと走らないと勝てない。都道府県駅伝(7区)では(青学大同期の)田中悠登が負けていますから」と表情を引き締めて話した。原晋監督には「絶対に上野監督には負けるな」とゲキを飛ばされている。青学大の期待株の進化が問われるレースとなりそうだ。
東洋大の九嶋は1、2年時に箱根駅伝で6区を駆け下ったが、3年時は出番なしに終わった。最終学年となる新シーズンにかける意気込みは強い。「1区で競り勝てるように頑張ります」と九嶋は前向きに話した。
東海大の越は長野・佐久長聖高出身。高校の大先輩の立大・上野監督と、1学年先輩の立大・服部と勝負する。「先輩たちには負けられません。区間賞を目指します」と意気込む。東海大は今回の箱根駅伝は15位で2年連続でシード権(10位以内)を逃した。「新シーズンに向けて、東海大はこの大会から弾みをつけたいです」。今回の箱根駅伝4区9位だった越は主力の責任感を漂わせながら話した。
順大の浅井は今回の箱根駅伝で7区3位と好走。今回の1区では区間賞の有力候補だ。
今大会は、1区18・9キロ、2区21・3キロ、3区20・0キロ、4区20・0キロ、5区18・0キロと全区間ともに距離が長く、しかも、アップダウンが激しく、海風も吹き付けるタフなコースで争われる。箱根駅伝を見据え、試金石となる一戦となる。
「ワイドー・ズミ」は宮古島の方言で、ワイドーは「頑張れ」、ズミは「最高」の意味。第100回箱根駅伝(来年1月2、3日)に向けて、宮古島で「頑張る」学生ランナーの「最高」の走りが期待される。
大会主催者は「出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝に次ぐ四大駅伝大会となることを目指しています」と大きな目標を持つ。多くの人に今大会を支援してもらうために目標金額150万円のクラウドファンディングを2月28日まで実施している。詳細は大会公式サイトを参照。