【明日の金ロー】放送当日は「83歳の誕生日」 日本の大人気アニメにも影響与えた「トムとジェリー」

アニメーションのトム、ジェリーと”共演”するクロエ・グレース・モレッツ(C)2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
アニメーションのトム、ジェリーと”共演”するクロエ・グレース・モレッツ(C)2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

 10日の金曜ロードショー(後9時)は、「トムとジェリー」(2021年)が地上波初放送。当日は、作品にとって83歳の”誕生日”でもある。1940年2月10日に、シリーズ第1作となる短編作品「上には上がある」が劇場公開され、記念日として制定。同作を含め、以降計7回にわたり米アカデミー賞の短編アニメーション賞を受賞している。

 本作の特徴は、実写とアニメのハイブリッド作品であるということ。トムとジェリーをはじめとしたアニメーションで描かれた動物のキャラクターが、実際のニューヨーク・マンハッタンの街中で躍動する。世界中が注目するセレブカップルの結婚披露パーティーが行われることになったホテルに住み着いたジェリーと、そのジェリーを退治するためにボーイとして雇われたトム。身分を偽ってホテルでの仕事を得たケイラ(クロエ・グレース・モレッツ)も巻き込み、大騒動を繰り広げるが…。

 記者も含め、ある一定の世代以上にとっては、テレビでアニメの再放送を何度も見ているであろう「トムとジェリー」。多才だけれど、どこかちょっと抜けたところがあって失敗ばかりするトムと、外見のかわいらしさとは相反してずる賢く、容赦のないジェリーの関係性は、時代を経ても全く変わっていない。そこに、安心感を覚える視聴者も多いのではないか。

 また、他のキャラクターと異なり、トムとジェリーの2匹がしゃべることはない(国内で放送された過去のテレビアニメでは、一部吹き替えが付けられているものもあったが…)ものの、その豊かな表情の変化や大げさなジェスチャーは、言葉以上に気持ちが伝わって来る。高所から落ちて体がペタンコになったり、パンチを繰り出す時に拳が大きくなるなどの「演出」も昔ながらのもので、作品を知っている人は懐かしさを感じるだろう。

 ちなみに、詳しい方ならご存じかと思うが、日本人なら誰もが知っている人気漫画で、本作に影響を受けている作品がある。それは「ルパン三世」。原作者のモンキー・パンチさんはかつてトークイベントで「子供の頃から『トムとジェリー』が好きだった。ルパンは(映画の)『007』と『トムとジェリー』の要素を入れました」と語っていた。

 確かに常に追いかけっこをしている一方で、時には奇妙な友情を見せたりする銭形警部はトム、ルパンはジェリーそのもの。「ルパン三世」も半世紀以上にわたりテレビアニメが製作され、世代を超えたファンを持つが、「トムとジェリー」同様に「仲良くケンカする」作品は長年にわたり愛されるということなのだろうか。(高柳 哲人)

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