1月の第99回箱根駅伝で初の大学駅伝3冠を達成した駒大の大八木弘明監督、田沢廉(4年)、鈴木芽吹(3年)、篠原倖太朗(2年)が8日、米国・アルバカーキでの強化合宿のため、渡米。今春から実業団のトヨタ自動車に進む田沢は現地でのレースに出走予定で、世界選手権1万メートルの派遣標準記録(27分10秒00)突破へ意欲を見せた。出発前の取材で「出せる練習はしてきた。ここで切りたいと思っています」と、相沢晃(旭化成)の持つ日本記録(27分18秒75)を超える大記録樹立へ意気込んだ。
大八木監督は4月以降、総監督に就任する予定で、トヨタ自動車に所属しながら拠点を駒大に置く田沢、同じく世界を目指すハイレベルな練習メニューを希望する鈴木、篠原、佐藤圭汰(1年)らも強化していく。今回佐藤は2月10~12日のアジア室内選手権(カザフスタン)の3000メートルに出場するため、同合宿に参加はしないが、各学年のエースを世界舞台へと送り込む計画は、着々と進んでいる。
田沢は今年の箱根駅伝2区で、大会直前に新型コロナに感染するアクシデントに見舞われるも、区間3位で走りきった。その後は同合宿でのレースで派遣標準切りを見据え、着実にトラックへと移行。現在の調子について大八木監督は「かなり良い感じに上がってきている。向こうでは高地トレーニングをしっかり積んで、スピードも強化していきたい」とプランを明かす。「とにかく日本記録を作って欲しい。手応えはありますね」と期待した。
田沢は8月のブダペスト世界陸上、来年のパリ五輪はトラックでの出場を目指し、その後はマラソンでの出場を狙って行くプランも明かしている。「パリまでには絶対に(1万メートルで)26分台を出して、そのスピードを持ってマラソンに移行したい。25年の東京での世界陸上はマラソンで狙いたいですね」。大八木監督も「(1万メートルで)27分を切っていかないとマラソンで世界とは戦えない。マラソンの日本記録も2時間4分切りなど出てくると思いますし、(超えられるような)選手を育てたいです」。“大八木エース英才教育塾”が、さらなる発展へと向かう。