種付けシーズンを迎える馬産地では、各スタリオンで種牡馬展示会が始まった。社台スタリオンステーションは7日に「スタリオンパレード2023」を開催。コロナ禍以降は午前と午後の2部制で、来場者を分散する形でコロナ対策を講じて実施している。5日朝に到着したばかりのホットロッドチャーリー(牡5歳、父オックスボウ、母インディアンミス)、19年朝日杯FSを制したサリオス(牡6歳、父ハーツクライ、母サロミナ)の新顔2頭を含む30頭が展示された。
ホットロッドチャーリーは2歳時から、ブリーダーズCジュベナイルでエッセンシャルクオリティの2着に入るなど健闘。3歳でもケンタッキーダービーとベルモントSでともに2着。ハスケルSは1位入線も7着降着となるなどG1制覇に惜しくも届かない状況が続いたが、5度目のG1挑戦となったペンシルベニアダービーで悲願の初Vを成し遂げた。4歳を迎えても初めて海外に遠征したドバイ・ワールドCで内を突き、外から差してきたカントリーグラマーには及ばなかったものの、先行するチュウワウィザードをかわして2着に食い込んだ。
タフに駆け抜けた競走生活は、ファンの心をつかんで支持を集めた。しなやかな歩きは芝にも対応できる印象があり、サンデー系やキングマンボ系との配合もしやすい血統背景と、200万円(受胎条件)というリーズナブルな設定から、魅力を感じる生産者は多いだろう。
サリオスは19年のサウジアラビアロイヤルCをコースレコードで制し、重賞初勝利。続く朝日杯FSもレースレコード勝ちを収め、ハーツクライ産駒が誇るスピードスターとなった。G1はこの1勝のみだが、20年と22年の毎日王冠を制し、昨年はコースレコードも樹立。皐月賞と日本ダービーはともにコントレイルに次ぐ2着と、世代トップクラスの活躍を示した。お披露目には、管理していた堀宣行調教師と担当していた森一誠技術調教師が駆け付け、堀師は「セールスポイントはスピードと瞬発力。特にスピードに乗ってからの瞬発力は、まるでスイッチが入っているかのようでした。威厳を持っているものの、人と一緒に何かをしようという時は協力的で非常に誠実な性格。日本の生産界にとって重要な種牡馬となるべく、配合相手にご検討頂ければと思います」と、生産者にアピールした。
他にも、初年度から193頭と交配したコントレイル、フリームファクシがきさらぎ賞を制したルーラーシップ、今年のリーディングサイアーをひた走るロードカナロア、世代を重ねるにつれて存在感を増すキズナにモーリス、昨年のJRA賞年度代表馬イクイノックスを送り出したキタサンブラックなど、豪華なラインアップがお披露目された。来週以降も、種牡馬展示会レポートをお届けする。(競馬ライター)
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