阪神・青柳晃洋投手(29)が6日、沖縄・宜野座キャンプで“赤星塾”に入門し、自身初の許盗塁「0」を目標に掲げた。5年連続盗塁王から走者目線の助言を受け、「ゼロを目指せるなら目指したい」と力を込めた。
4日から始まったOB・赤星憲広氏(46)の臨時コーチ最終日は、投手陣にも初指導が行われた。終了後に右腕は個別指導を“おかわり”。赤星さんの「俺が現役だったら、絶対に走りたい選手」という言葉に向上心をかき立てられた。
「えっ、行こうと思うんですか!?」。昨季、2年連続の最多勝、最高勝率、そして最優秀防御率に輝いた虎のエースは「元々苦手だった」クイックを磨き上げ、0・9秒台の“超速クイック”を習得。ここ2年で許した盗塁は、わずか2だった。17年以降は企図数自体が5→0→9→3→5→6とスタートすら満足に切らせていない。簡単に走られない自負があっただけに驚いた様子だ。
通算381盗塁のレジェンドに、企図するタイミングを質問。配球を読むことや、けん制の回数などを伝えられた右腕は「ランナー心理を聞けて、まだまだできることが多いと思った」と目を輝かせた。
盗塁阻止率100%を達成すれば、20年の森下(広島)以来だ。「クイックも、タイミングも頑張らないといけないし、捕手のスローイングの助けも必要になる。企画すらさせないのが理想かもしれないが、走られてもアウトにできるように練習しないといけない」。走者をくぎ付けにする、企図数「0」の究極像まで追い求めていく。(宮崎 尚行)