今年の第99回箱根駅伝(1月2、3日)で3位だった青学大の横田知己(2年)が1月末で競技を引退し、陸上競技部を退部した。
知己は日本男子プロゴルフツアー2勝の横田真一とタレント穴井夕子の長男で2年前に青学高等部から入学、入部。太田蒼生、鶴川正也ら同期が高校時代に5000メートル13分台の自己ベスト記録を持って入学する中で、知己の高校時代の自己ベスト記録は15分41秒77。入学直後に15分15秒75と大幅に自己ベストを更新したが、その後は故障や貧血などに苦しんだ。マネジャー転向を申し出たが、原晋監督は「マネジャーは簡単な役職ではない。知己はマネジャーに向いていない」と厳しく通告。その上で原監督は「2年で引退ということになったが、青学大駅伝チームのOBと名乗っていい。残りの大学2年間で自分に最も合った道を探して、その新たな道で頑張ってほしい」とエール。真剣な話し合いを重ねた結果、最終的に退部が決まった。
幼稚園から青学に通う知己は、高等部時代は陸上とゴルフの二つの競技に参加。ゴルフでは1年時に東京都高校ゴルフ秋季大会に出場し、86のスコアで75人中29位の成績などを残した。その一方、幼稚園時代から青学大駅伝チームの陸上教室に参加し、箱根駅伝への強い憧れを抱いていた。高等部の後半は陸上に力を入れ「箱根駅伝出場」という大きな夢を持って駅伝チームに入部したが、現実は厳しかった。
「(5000メートル)15分台で入学した自分を、誰一人として見下したりしないで、本当に全員が対等に接してくれて、最高の仲間もできました。陸上部が今でも大好きだし、最高の2年間を経験させてもらったと思っています」などと知己はSNSで2年間の思い出などをつづった。
今年の箱根駅伝では特に親交が深い太田蒼生の給水係を務め、4区2位と好走した同期を陰ながらサポートした。「最後には(太田)蒼生のたった100メートルですが、箱根路を走ることができました。本当に僕は幸せ者です」と感謝した。
母の穴井は、箱根駅伝で給水係を務めた知己を現地で応援。「必死に応援して、必死に写真を撮りました!」と息子の晴れ舞台を明るく振り返った後「2年間、本当によく頑張りました」と静かな口調でねぎらった。