【センバツ】甲子園経験豊富な黒沢学部長「一発勝負は好き」・・・常葉大菊川10年ぶりセンバツ(2)

練習を見守る常葉大菊川・黒沢部長(左)
練習を見守る常葉大菊川・黒沢部長(左)

 「勝負師」黒沢部長が指揮官をガッチリ支える。部長として主に投手を育て上げる「投手コーチ」としてグラウンドで鋭い視線を注ぐ。「バッターから見て『嫌だな』と思うボールを投げさせたい」と話す。

 選手も「嫌な投球」を実践する。久保綾哉(1年)もその一人だ。1年生ながら昨秋の公式戦9試合に登板し防御率0・71と安定感。直球は130キロ台だが「両サイドにきっちり投げ分けられる」と打者にとって嫌な投手だ。

 前チームのエースで日本ハムにドラフト4位で指名された安西叶翔(18)の育ての親。前任の常葉橘(現常葉大橘)の監督時代は、09年ドラフト4位で広島に入った庄司隼人(31)や、17年阪神ドラフト2位の高橋遥人(27)らをプロに送り出し「上のステージでやる選手は野心がある」と強調した。

 指揮官との息もピッタリだ。07年センバツ優勝捕手の石岡監督について「選手時代から知っている。一発勝負の勝負どころも分かっている。野球勘も似ている」。メンバー発表の時には「僕もそう思っていました」と考えがほぼ一致するという。

 08年に常葉橘の監督に就任した際に「3年以内で甲子園」とノルマが設定された。当時2年生ながら主力の牛場友哉(30、現JR東海)を三塁手から捕手にコンバートさせるなど大胆采配で09年夏に監督歴9か月で甲子園出場。監督として3度甲子園に導き「一発勝負は好き」とニヤリと笑う。

 「楽しむことが一番。『甲子園が俺の庭だ』ぐらいの気持ちで試合に臨むことが大切」。選手の背中を押し、自らも聖地を思う存分楽しむ。(森 智宏)

 ◆黒沢 学(くろさわ・まなぶ)1977年4月3日、名古屋市生まれ。45歳。大洲中から常葉橘に入学。主将で4番・遊撃手を務めた3年夏は3回戦で榛原に敗退した。常葉学園大を経て、常葉橘(現常葉大橘)でコーチを務め、08年に監督就任。16年から常葉大菊川の部長。173センチ、78キロ。右投右打。

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