17日のJ1開幕まであと2週間となった。今季のJ1でJ2に降格するのは、最下位18位の1チームのみ。過去のJ1データを集計すると、05年以降で1ステージ制だった16シーズンのうち13シーズン(81.25%)で、年間最下位のチームは5試合消化時点で16位以下に沈んでいた。どうやら中盤から終盤に大逆転という魔法は、なかなか使えないよう。残留の鍵は、とにかくスタートダッシュにありそうだ。
序盤で出遅れると残留争いが待っていることを、歴史は教えくれる。最下位で降格したチームの5試合消化時点での勝ち点平均は2.5。今季に当てはめると3月までに3ポイント以上を獲得できていないと、24年シーズンはJ2の可能性が高まってくる。
開幕5試合で16位以下に該当せず、その後最下位に沈んだのは、22年の磐田(5節12位、勝ち点5)、11年の山形(5節14位、勝ち点4)、05年の神戸(5節14位、勝ち点5)の3例だけだった。
つまり、5試合で勝ち点6以上獲得(2勝もしくは1勝3分け)していれば、最下位を回避できる可能性が、データ上では極めて高い。序盤から勝ち点を取れる=調子がいい=年間で上位と、当たり前と言えば当たり前の構図だが、とにかく出だしが重要だ。
20チーム制だった21年シーズン、横浜FCは開幕から黒星を重ね、初めて勝ち点を挙げたのは7節の柏戦(ニッパツ)。初勝利は14節の湘南戦(ニッパツ)までかかった。夏以降は広島と名古屋に連勝したほか、G大阪に3―1で快勝するなどしたが、序盤の出遅れが大きく響き最下位で降格した。
昨季はJ2・2位で昇格。今季の日程を見ると、終盤に試練が待ち受けている。リーグ戦残り7試合のうち5試合がアウェーなのだ。苦しい戦いを強いられる前に、とにかく勝ち点を積んでおくことが重要になりそう。序盤の5試合は3試合がホーム、アウェーも湘南とFC東京と関東近郊で、遠征の負担も比較的軽い相手となっている。相手が完全に仕上がっていない時期に、どれだけポイントが取れるかが、シーズンを占う上で鍵になるだろう。
昨季J2得点王でMVPの元日本代表FW小川航基を軸に、MF山根永遠やMF和田拓也と昨シーズンもプレーした選手たちの連携充実度に期待がかかる。そして新加入のMF新井瑞希、MF井上潮音、MF三田啓貴らが溶け込めば、苦しい残留争いから抜け出し、次のステップへ一歩を踏み出せそうだ。(田中孝憲)
◆横浜FCの序盤5試合日程
(1)名古屋(2・18、ニッパツ)
(2)湘南(2・24、レモンS)
(3)鹿島(3・4、ニッパツ)
(4)FC東京(3・12、味スタ)
(5)京都(3・18、ニッパツ)
◆横浜FCの終盤7試合日程
(28)新潟(デンカS)
(29)浦和(埼玉)
(30)FC東京(ニッパツ)
(31)札幌(札幌ドーム)
(32)鳥栖(駅スタ)
(33)湘南(ニッパツ)
(34)鹿島(カシマ)
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