3日の金曜ロードショー(後9時)は、3週連続放送の「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの第3弾「―ワールド・エンド」(2007年)が、放送枠を45分拡大して登場。前週に放送された「―デッドマンズ・チェスト」との前後編で、1作目からの”3部作”の完結編となっている。
前作の最後でブラックパール号と共に「海の墓場」に送り込まれたジャック(ジョニー・デップ)。一方、ウィル(オーランド・ブルーム)とエリザベス(キーラ・ナイトレイ)は、「世界の果てへの地図」を手に入れ、ジャックの元へ向かう。やがて再会を果たすものの、海賊たちがかっ歩する時代は、終わりを告げようとしていた。世界制覇をもくろむ東インド会社と海賊たちによる「最後の決戦」が始まる中、それぞれは自らの望みを果たすべく、戦いの中に身を投じていく―。
デップを筆頭に、超豪華キャストで知られる「パイレーツ―」シリーズ。本作でもシンガポールの海賊サオ・フェンを香港の大スターであるチョウ・ユンファが演じている。だが、何といっても最も注目すべきなのはキース・リチャーズだろう。ロック界の最高峰であるローリング・ストーンズのギタリストは、ジャックの父であるキャプテン・ティーグ役で出演。出番はわずかだが、強烈な存在感を示しており、ギターを爪弾くシーンも登場する。
デップにとって、キースの出演は”悲願”だった。デップは「パイレーツ―」シリーズで主演をすることが決まった際に、ジャックを演じるにあたってイメージを膨らませるため、様々な文献や作品にアプローチしたという。その中で最も参考にしたのが、キースの存在だった。
当時の海外のインタビューでは「自由を謳歌(おうか)する海賊というのは、18世紀のロックンロール・スターだったと思う」と答えており、ロックの頂点にいるキースは、その象徴だったと考えていたようだ。03年6月、1作目の「―呪われた海賊たち」のワールドプレミアがロサンゼルスのディズニーランドで行われたが、その際にも日本メディアの取材に対し「(ジャックは)ローリング・ストーンズのキース・リチャーズを意識して、現場でもストーンズの曲をかけてたよ」と話していた。
キースは05年8月にスタートさせていたローリング・ストーンズのワールド・ツアー「A Bigger Bang」の途中、06年4月に休暇先のフィジーで木から落ちて頭部を負傷し、手術を受けた。撮影はその後、公演が無い日を狙って行われたという。
ちなみに、キースは第4作「―生命の泉」にも出演。また5作目「最後の海賊」には、こちらもロック界のレジェンドであるポール・マッカートニーが出演している。今回、金ローでは両作品の放送はないが、興味のある方はぜひチェックを。(高柳 哲人)