パドレス・ダルビッシュ有投手(36)が30日(日本時間31日)、自身のツイッターで、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向けた2月17日からの侍ジャパンの強化合宿(宮崎)に初日から参加する意向を表明した。エンゼルス・大谷翔平投手(28)ら5人のメジャーリーガーは、大会前の強化試合の出場が不透明なため合流時期が未定だったが、チーム最年長の精神的支柱が、初日からチームに加わる。
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ダルビッシュの決断には覚悟が表れている。実戦登板を経ず、ぶっつけ本番となる可能性もあるからだ。WBCに関するルールは流動的な部分があり予断は許さないが、現時点でメジャー所属選手の出場が許可されている試合は最速で3月6日の阪神戦。大谷と並ぶエースとして先発が見込まれる3月9日の開幕・中国戦、もしくは同10日の宿敵・韓国戦まで中2日、中3日。現実的には「3・6」の登板は考えにくい。
そうなると、試合出場の前倒しが許可されない限り、WBC本番を実戦登板なしで迎えることになる。実戦形式の練習こそ組まれるだろうが、この時期に自ら合宿参加を発表したことには「それでも何とかする」というベテラン右腕の自負が感じられる。
リスクを負っての決断には日本ハム最終年となった11年以来、12年ぶりとなる日本野球に慣れることと同時に、自身を慕う多くの後輩へ自らの経験を還元する―という、日本野球への感謝の思いがにじむ。(侍ジャパン担当・岸 慎也)