巨人の投打の柱が31日、キャンプ地・宮崎で「奪回」への決意を明かした。新主将の岡本和真内野手(26)は「悔いのないように」と何度も繰り返し、ファンへ全力プレーと最大限のサービスも約束。また、新投手主将の戸郷翔征投手(22)は「自分に負けない」とテーマを設定し、優勝へけん引する意気込みを示した。
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巨人の第20代主将として、26歳が新たな一歩を刻む。坂本からチームリーダーを引き継いだ岡本和は、宮崎神宮で原監督や選手会長の菅野らと最前列で参拝し、決意を新たにした。
「身が引き締まる思い。ワクワクドキドキです。ここから始まるキャンプはすごく大事な時間だと思うので、一日一日、後悔のないような取り組みをしたい」
日本一を目指すシーズン。今季は打率3割、40本塁打、100打点を掲げており、自らに重圧をかける。頂点だけを見据え「キャプテン」を表す「C」マークが胸に入ったユニホームに袖を通す。「球場に来る人全てに愛を持って今年はプレーします」と宣言していた男はキャンプでも全力の姿をファンに見せ、コロナ禍で制限されていた中で復活するファンサービスも最大限行うつもりだ。
「ファンと一番近くでいられるのがキャンプ。できる限りのファンサービスをさせていただきたい。キャンプで頑張っている姿を見に、今年はどうなんだろうと希望を持ちながらいろんな方が応援しにきてくれたりする。後悔のないように思い切って取り組んだ中で、楽しんでもらえたら」
周囲に見られる立場としてのサービス精神も忘れない。緑色のスーツを身にまとい、ジャイアンツカラーのオレンジのネクタイを着用。柔和な笑みを浮かべ、自然体な面も崩さなかった。
「みんなが喜ぶように、ネタを提供できるように。真っ黒だったら面白くないでしょ」
前日には東京D主催の巨人戦での、声を出しての応援などが3月18日から復活することも発表された。新主将にとっても朗報だ。
「すごくうれしい。寂しい部分もありましたし、見にきている方々も声を出せないことは、歯がゆい部分もあったと思う。たくさん足を運んで楽しんでもらえたらいい」
早朝からアーリーワークも行われる春季キャンプ。「寝坊しないようにしたいなと思います」と笑った。WBC日本代表として世界一も目指し、チームの要職でも働く23年。主将として、ぶれることなく邁進(まいしん)していく。(田中 哲)
◆主将・岡本和の殊勝な発言
▽22年11月23日 球団のファンフェスタで、原監督から主将に任命された。「今年はファンの方々も、僕たちもめちゃくちゃ悔しい思いをしましたので、来年は絶対優勝します」
▽12月6日 契約更改後に「みんな僕の方を見ると思いますし、全員で優勝、日本一を目指して一丸となってやっていきたい」。
▽23年1月21日 21年から取り組む「岡本和真HAPPY ANIMALプロジェクト」の一環で、保護された犬猫譲渡会に参加した際に「球場に来る人全てに愛を持ってプレーします。選手もファンも報道陣の方々にも」。