前田彩里が愛娘パワーでMGC出場権獲得…4年ぶり復帰 ママで初五輪へ日本人4位

スポーツ報知
総合6位、日本人4位でゴールする前田彩里(カメラ・渡辺 了文)

◆大阪国際女子マラソン(29日、ヤンマースタジアム長居)

 20年の出産を経て、4年ぶりのマラソンに挑んだ前田彩里(31)=ダイハツ=が2時間25分24秒の日本人4位でパリ五輪代表選考会のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)出場権を獲得した。日本初のママさんランナーのマラソン五輪代表入りへ夢が膨らんだ。日本人トップの3位は2時間22分59秒で安藤友香(28)=ワコール=。優勝候補の佐藤早也伽(28)=積水化学=は転倒で右足を負傷し、18キロで棄権した。(晴れ、気温7・5度、湿度48%、西の風2・0メートル=スタート時)

 ママになって初めてのフルマラソン。4年ぶりとは思えない、力強い走りでゴールテープを切った前田は「目標の24分台は切れませんでしたが、自分の中では納得しています」とすがすがしい表情で振り返った。日本人4位でMGC出場権も獲得し「次につなげられるレースになった」と笑顔で復帰戦を終えた。

 35キロ過ぎから、上杉真穂(27)=スターツ=、吉川侑美(32)=ユニクロ=と3人の第2集団でレースを進める展開。終盤は風が強く「足が残っていなかった」と苦しさが押し寄せたが、沿道で愛(まな)娘が応援する姿が見えた。「力をもらいました」と母親パワーで最後の力を振り絞り、MGC圏内でゴールを駆け抜けた。

 18年にマラソン選手の窪田忍(31)=九電工=と結婚し、20年12月に長女・彩葉ちゃんを出産。約1年後にはチームに合流し「新しい気持ちで、今の自分の実力に合った練習をしてきた」と一歩一歩、復帰へ向かった。今大会前は昨年12月中旬から宮崎で走り込み「昔の自分と比べるより、今の自分と向き合い練習した」。4年ぶりの大舞台でも変わらぬ強さが光った。

 熱い走りに、日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦氏(66)も「前田さんが復活して、うれしい」と満面の笑み。「ママさんランナーがこれからどんどん増えていく礎をつくってくれたことに、すごくうれしさを感じました」と女子マラソン界に、新たな風を吹かせた前田を高く評価した。

 MGC出場切符をつかみ、ママさんランナー初のマラソン五輪代表入りへの挑戦は続く。16年リオ五輪代表選考レース、東京五輪選考会の19年MGCはけがで欠場。五輪にかける思いは人一倍強いが「まず自分がやるべきことをやっていきたい」と冷静。ママさんランナーの新たな歴史を紡ぐ。(手島 莉子)

 ◆MGC 日本陸連が21年東京五輪の男女マラソン日本代表選考会として新設した、マラソングランドチャンピオンシップの略。従来行われていた複数の選考会に代わり、予選に相当する大会で、定められた基準を満たした選手らが一発勝負でレース。24年パリ五輪へ向けては23年10月15日に開催予定。MGCで内定条件に定められた順位となった選手が、五輪内定。今大会で女子は4人追加され、現在の出場権獲得者は女子26人、男子42人。

 ◆前田 彩里(まえだ・さいり)1991年11月7日、熊本・菊池郡大津町生まれ。31歳。両親の影響で幼稚園から陸上を始める。熊本信愛女学院高を経て、佛教大に進学。4年時の2014年大阪国際で初マラソンに挑戦し、日本学生新記録を樹立。14年4月からダイハツに進み、15年名古屋ウィメンズマラソンは2時間22分48秒をマークし、同年8月の世界選手権に初選出。本戦は13位だった。159センチ、44キロ。

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