スポーツ報知のカメラマンがあの日、その時を切りとった膨大な写真の中から、撮影者が記憶に残るショットを紹介。当時の状況や思い出だけでなく、今だから話せる”ウラ話”を明かします。当時の空気とともにお楽しみください。

パーラの「サメダンス」即興コントのような珍会見~スポーツ報知カメラマンが見た瞬間の記憶~

新入団会見でサメダンスを披露する(左から)ビエイラ、ヘラルド・パーラ、原辰徳監督、エンジェル・サンチェス(2020年1月29日撮影=カメラ・宮崎 亮太)
新入団会見でサメダンスを披露する(左から)ビエイラ、ヘラルド・パーラ、原辰徳監督、エンジェル・サンチェス(2020年1月29日撮影=カメラ・宮崎 亮太)

厳粛雰囲気が一変

◆2020年1月29日、巨人・新外国人選手の入団会見(宮崎亮太カメラマン)

 筋骨隆々の大男たちが、ポップな音楽に乗り、巨体を揺らしていた。両腕を上下にたたき、しまいには同席の原辰徳監督をも巻き込んだ。都内のホテルで行われたパーラらの新入団会見。何人もの選手を取材してきたが、誰もが笑う、まるで即興コントのような珍会見は、これが初めてだった。

 パーラは会見途中に突然スマホをいじり出し、ナショナルズ時代からの登場曲「ベイビー・シャーク」を流した。「子供たちが喜んで、踊ったり、笑ったり、そういった空気が最終的にワールドシリーズに導いてくれたのではないか。ぜひ日本でも、盛り上がってほしい」。ファンを思う言葉が響いた。会見を終えると一列に並び、あいさつ代わりの「シャーク・ダンス」。会見場の厳粛な雰囲気は、一変した。

 どのように写真を撮るか。露出、構図、ポーズ―。私が日々ぶつかる壁であり、この日も頭を悩ませていた。主役はメジャー通算1312安打に2度のゴールドグラブ賞を誇るスター選手、ただのガッツポーズでは味気ない。来日後初の公の場であり、もちろんユニホーム姿は、この日が初披露だった。

新入団会見会見途中にスマートフォンを取り出し、シャークダンスの音源を流すヘラルド・パーラ。左は原辰徳監督(2020年1月29日撮影=カメラ・宮崎 亮太)
新入団会見会見途中にスマートフォンを取り出し、シャークダンスの音源を流すヘラルド・パーラ。左は原辰徳監督(2020年1月29日撮影=カメラ・宮崎 亮太)

 結局、写真撮影の時間になっても名案は浮かばなかったのだが、壇上で指揮官の手を取り、迷うそぶりもなく陽気にダンス。明るすぎる型破りな振る舞いは、カメラマンが“窮地”を脱するには十分すぎた。

 まもなくキャンプイン、今年はどんな「おもしろハプニング」が生まれるだろうか。

【2020年1月30日付紙面より】

 巨人の新外国人、ヘラルド・パーラ外野手(32)が29日、都内で行われた入団会見に出席。同席した原監督がメジャー通算1312安打、2度のゴールドグラブ賞を誇るスターの「5番・右翼」での起用を初めて公言した。ナショナルズ時代の登場曲「ベイビー・シャーク」を会見中に自ら流し、指揮官と“サメ・ダンス”を踊るなど、早くも「和」に溶け込むことに成功した。(年齢と所属は当時)

新入団会見でサメダンスを披露する(左から)ビエイラ、ヘラルド・パーラ、原辰徳監督、エンジェル・サンチェス(2020年1月29日撮影=カメラ・宮崎 亮太)
新入団会見会見途中にスマートフォンを取り出し、シャークダンスの音源を流すヘラルド・パーラ。左は原辰徳監督(2020年1月29日撮影=カメラ・宮崎 亮太)
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