第95回センバツ高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)に2年連続で出場するクラークが29日、三重県と愛知県で行う12日間の冬季合宿に出発した。
昨年のセンバツで三塁コーチを務めていた田中聖人投手(2年)は今合宿でのアピールに燃えている。佐々木啓司監督(66)が「投手陣を底上げしたい」と話すように、チームの課題は昨秋全道で全試合完投したエース・新岡歩輝(2年)に次ぐ存在。日本人の父とネパール人の母を持つ180センチ、90キロの右腕は「新岡と同じぐらいの力をつけたい」と決意した。
進化を証明する。背番号10だった昨秋は右肩痛もあり登板は地区予選の2試合のみ。神宮大会前の練習試合では130キロ前後の直球を打ち込まれ、試合後には野手転向も提案された。「すごく悔しくて。球速も伸び悩んでいたし、フォームの悪い部分を詳しく聞きたかった」。昨年末、札幌から一人で神奈川の完全予約制整体院に足を運び、計2日間の指導を受けた。
胸回りの硬さなどを厳しく指摘され、体を柔らかくするための呼吸法から改善。ウェート中は風船をくわえ、オリックス・山本由伸投手(24)が行うブリッジも導入した。効果は抜群で「フォームや胸の張りが全然違う。球がすごく伸びる感じがある」。年明けの寮入りはチーム一番乗り。やる気に満ちた姿で佐々木監督を驚かせた。「何としても遠征で強くアピールしていきたい」と田中。待ちわびた屋外でのプレーで、マウンドから強烈なインパクトを残す。
◆田中 聖人(たなか・まさと)2006年1月25日、札幌市生まれ。16歳。札幌幌北小4年時に北光ジュニアイーグルスで野球を始め、北辰中では札幌栄シニアで投手。クラーク高では1年秋の地区予選から背番号14でベンチ入り。180センチ、90キロ。尻囲100センチ。右投右打。家族は両親。