巨人の支配下&育成新人14選手を紹介する連載「はGめまして」。育成ドラフト8位・北村流音内野手(17)=桐生第一=は、ほぼ初体験の遊撃手で勝負する。高校時代は投手で最速146キロの本格派右腕だったが、打力を買われてプロ入り後に内野手転向。体格が似ていて、高校時代に投手もやっていた点など共通項の多いソフトバンク・今宮の守備動画を繰り返し見て研究を重ねている。
低く、強い送球で肩の強さをアピールした。北村流は野手になったばかりとは思えない軽快な動きで身体能力の高さを見せた。13日から28日まで行われた新人合同自主トレで連日、内野ノックを受け「難しいですね」と振り返ったが、大きな伸びしろを感じさせた。
桐生第一では投手で、最速146キロの速球にカーブ、スライダー、フォークを操る本格派右腕。昨夏の群馬大会準決勝で樹徳に9失点して敗退し、「最後がああいう負け方だったので」と投手として上の舞台で悔しさを晴らすつもりだった。
ドラフトも投手としてアナウンスされ「菅野投手の投球術を見習いたいです」とコメント。ただ、それ以上にスカウトは打力の高さに注目していた。球団と話し合い「野手として評価していただいたので打者で頑張ります」と決断した。
高校時代、登板しない時は外野手で出場。遊撃手の経験は「ほぼ初めてです」とゼロからの挑戦だ。「ソフトバンクの今宮さんの守備の動画をよく見て勉強しています」と、身長170センチ台前半、高校時代に投手だった点など、自身と共通点が多い今宮の映像を何度も見返して研究を重ねる。
群馬・桐生市出身。「小さい頃は家の周りの山で坂道をよく走っていました」と自然の中で培った体の強さも魅力の一つだ。流音(りお)の名前の由来は「流れる水の音のように穏やかに、優しくみたいな感じです」。昨秋にG球場で入団テストを受験。「プロに行くことしか考えていなかった」と強い意志で合格をつかんだ。
桐生第一からは豪快なフルスイングで注目を集める左打者、育成6位の三塚琉生(るい)外野手も入団。ドラフト制後、同じ高校から同時に2人が巨人入りするのは初めてで、「一緒に頑張っていきたいです」と健闘を誓い合う。元投手で伸びしろしかない遊撃手。小、中、高と過ごした桐生を出て、東京で新たな勝負に出る。(片岡 優帆)
◆北村 流音(きたむら・りお)2005年2月20日、群馬・桐生市生まれ。17歳。桐生南小1年時に西小ファイターズで野球を始める。桐生中央中では軟式野球部に所属し、群馬ダイヤモンドペガサスジュニアに選ばれる。桐生第一では2年秋からエース。支度金290万円、年俸360万円。背番号027。174センチ、78キロ。右投右打。